• テキストサイズ

呪いのなかで、恋々【乙骨憂太】

第8章 肌寒い秋は


「憂太……そろそろ離れて……」

真希にどつかれてもくっついたままの憂太に、消えてしまいそうな声で訴える。

「……僕の部屋来る?千景の部屋行く?」

ふたりきりになろうとしている。
私もなりたいとは思うが、みんなの前で聞かれるのは恥ずかしかった。

返事をせずにいると、「ちょうだい」と、私の手に手を伸ばしてくる。
私の腕を、指でなぞりながら……。

手に持っているペットボトルを手ごと掴まれて、憂太は後ろから囲ったままキャップを開ける。
そして、私の手を掴んだまま、耳元でゴクッと喉に流し込んだ。

ゴクッ、ゴクッと聞こえる度に、僅かに肩が跳ねる。
そんな私を見て、憂太は喉を転がしていた。

「ありがとう。可愛い千景見れた」

キャップをしながら耳元で囁く。
――なんか憂太って……私にだけ意地悪……。

隣にいる真希は、少しずつ距離を取っていった。
そんな真希に心の中で謝りながら、憂太に触れられている嬉しさに、鼓動を響かせる。

憂太にも聞こえているようで、クスクスと笑いながら髪を撫でられた。

そのままみんなで、少し話していた。
湿り気を帯びているのは、髪が濡れているからか……ずっと憂太とくっついている熱からなのか……。

/ 113ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp