第8章 肌寒い秋は
お風呂に入っていると、パンダくんと狗巻くんが真横にくっついてきた。
狗巻くんの表情は読めないけど、パンダくんはニヤニヤしているのが丸わかりだ。
「憂太、千景とはどこまで進んでんだよ〜」
「すじこ〜?」
どうやら2人は、千景とのことが気になるらしい。
――どこまでって、どこまで言ったらいいの?
「えぇ、そんなこと聞かれても〜……き、キスはしてるかなぁ……?」
改めて聞かれると恥ずかしい。
2人共、"それはわかってる"と言いたげな目で見つめてくる。
少し2人の間から抜け出すように、後ろに退った。
「……まだ、チェリーです……今度、できるかも……」
鼻の下までお湯に浸かり、揺れる水面を見つめた。
デートした時のことを妄想すると、嬉しさでいっぱいになる。
千景もわかってて、了承したのだろう。
「ほほーん?泣かせないように頑張れ!」
「しゃけ!」
2人に応援されてしまった。
僕は、恵まれている。