第9章 ふたりきりで
「憂太〜。ダメだったのか?」
シャンプーをしたり身体を洗ってからお湯に浸かると、この前のようにパンダくんや狗巻くんに挟まれた。
「あぁ。まあ……」
詳細は言わなかった。
僕だけのことではないし。
パンダくんに髪をわしゃわしゃされ、「あまり気にするな」と励まされた。
泣かせたことは気にしちゃうけど、それよりも……千景の方が気にしてるんじゃないかな……。
気にしているようなら、ケアを続けるだけ。
揺れる水面を見つめながら、千景のことを考えていた。
今は、これからのことを考えていよう。
里香ちゃんのこと。
呪術師として力をつけること。
他にも考えなきゃいけないことは、いっぱいある。
「千景はなんで、こんな僕を好きになってくれたんだろう……僕なんかを……」
他のことを考えようとしても、どうしても考えてしまう。
僕にとって千景はそんな存在。
ずっと、僕の中心にいる。
「真希に気をつけろよ〜。千景が泣いてたって知って、説得するの大変だったんだからな。」
どうやら僕は、真希さんに狙われているらしい。