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呪いのなかで、恋々【乙骨憂太】

第9章 ふたりきりで


千景が落ち着いてきた頃、一緒に寮に入っていく。
指を絡めて握り、部屋まで送り届けた。
一緒にいたかったけど、今は僕といるのがきついだろうから……。

少し時間が経ち、食堂へ向かう。
千景の目元は、少し腫れていた。

食べ終わり、食堂を出ていく千景を追いかける。
手を握りながら隣に来ると少し驚いたようだが、首を傾げて微笑んだ。

「可愛い……。どんどん好きになっちゃうなぁ……」

千景の髪に頬を寄せ、すりすりと擦る。
――こんなに可愛くて綺麗な子、もう一生現れる気がしない。

「里香ちゃん、出なかったね。……出来なかったから憂太、傷付いてるのかと思った」

「傷付いてるわけないよ。でも……千景、泣かせちゃった」

首を振って頬に触れる温かさに、今すぐにでも押し倒したくなる。
唇を離した千景の頬を押さえて、唇を撫でる。
愛しくて堪らなかった。

ゆっくり顔を近づけていく。
目を瞑った千景を見て、僕も目を瞑った。
だけど――後ろから「うふふ〜」と変な笑い声が聞こえて、すぐに離れる。

「続けていいぞ〜?」

「しゃけ」

振り向くとみんないて、無意識に千景を背中に隠した。
たぶん、すごく恥ずかしがってるはずだから。

「なぁ憂太。千景、泣かせたろ。目が赤ぇ」

「あ、えっと……うん……」

真希さんに軽く睨まれて、バツが悪くなる。

そのまま千景を部屋に連れて行き、先程出来なかったキスをして別れた。

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