第7章 約束の結末
夢主side
御幸の怪我の事を誰にも言えないまま、
解散となる。
本当は……1人でもいい。
プレー中に御幸の近くで御幸を止めてくれる人が居てくれたら……
そんな事を考えながら、スタッフルームで一人。
今日の試合結果のデータをファイルにまとめる。
ガチャ――
「あれ、まだ居たんだ」
「あ、白州くん、お疲れ様」
入ってきたのは同じ学年の白州くんだった
「もう暗いし、前原もそろそろ帰った方がいいんじゃないか?」
「んー、もう少しまとめたいかも」
白州くんは静かに机の上に広かった資料に目をやった。
「毎試合、すごく助かってる。このデータ達に」
「そっか。良かった」
少し胸が温かくなる。
御幸以外から、直接こういう事を言われることは少ない。
明日の決勝戦も
来年に向けての学びは多いはず。
「明日も頑張ってね」
「おう」
白州くんはそう短く返すと、扉に手をかける。
しかし――
扉を開けたのは、倉持くんだった。
「うぉ、びっくりした……って白州か」
「倉持、お疲れ」
短く言葉を交わして部屋を出ようとする白州くん
「ちょっと待て白州、ちょどいい」
倉持くんは引き止め、扉を閉める。
少しの沈黙の後、倉持くんは口を開いた。
「……御幸の事だ」
私は息を飲み、倉持くんの視線から目を逸らす。
その仕草により倉持くんの視線は鋭くなる。
「お前……何か知ってんだろ」
「……っ」
私は言葉が出なかった。
「おい!吐けよ!」
倉持くんからの圧に余計に固まる私を見て
白州くんが口を開いた。
「倉持、女子に対して吐く言葉じゃねぇだろ」
「っ!……でもよぉ!」
さっきまで扉の目の前にいた白州くんは
気が付いたら、2、3歩中にいた。
「……御幸に口止めされてる?」
落ち着いた声で聞かれた。
「……」
否定出来なかった。