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約束の行方【御幸一也】長編

第7章 約束の結末



御幸side

ユキから沢村の違和感を相談されてからというものの、
やっぱり俺には精度の問題に思えた。

――そのはずだった。

新チームの力試しと組んだ薬師との練習試合。

沢村の初球。

外。

二球目も、外。

三球目――
インコースを狙ったはずのボールは、また外へ外れた。

「……おいおい」

思わず声が漏れた。

ただのコントロールミスじゃない。

ブルペンでは問題なかった。
球威も落ちていない。
それなのに、一球も内に来ない。

……まさか

あの時の言葉が頭をよぎる。

『逃げてるように見えた』

――ユキの違和感が、現実になった。


俺は早いうちから監督に目配せをし、沢村は1つのアウトも取らせてやれる事もなくマウンドから降りた。

夢主side

試合後ザワつく気持ちが抑えられず、私は沢村くんの元へ向かった。

「沢村くん!」
「前原先輩……」

落ち込んでいる沢村をいざ目の前にしてすごく胸が締め付けられた。

「……気付いてたの」
「え……」
「インコース……少しおかしいって」

言葉が震え出すのがわかった。

「でも、キャッチボールだと本当に違和感程度で……まさか、ここまで……」
「前原先輩、落ち着いてください!俺は大丈夫なんで!」

沢村くんが慌てて止めに入るが、私の気持ちが収まらなかった。

「でも……!」

そう言いかけた時、近くにいた御幸の姿が目に入った。

一瞬だけ目が合った。
――でも、すぐに逸らされた。

御幸side

目が合った瞬間、逸らした。

……分かっていたはずだろ。

あいつの捕手としての勘を信じてない訳じゃなかった。
ただ――

認めたくなかった。

『沢村なら大丈夫』
そう、どこかで思っていたかった。

――その結果がこれだった。

沢村達から少し離れて歩いた。

「……ほんと、向いてねぇ」

気がついたら零れていた。

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