第7章 約束の結末
――パチンッ
「痛っ!!」
ヒリヒリとするおでこに手を当てる。
「ねぇ!本気でデコピンしたでしょ!!」
私がそう怒ると御幸はいたずらっぽく笑った。
「やっとお前らしい表情になったな」
もしかして、わざと……?
さっきまで力の入っていた肩が軽くなっていた。
私は一呼吸すると
「ありがとね御幸」
そう優しく微笑んだ。
「おう」
御幸は短く返事をすると今度こそ部屋を出ていった。
御幸side
……危なかった。
俺は思わず壁にもたれかかって、しゃがみ込んだ。
髪を掻き乱し、小さく息をつく。
目を閉じなくても思い浮かぶのは――
さっきの言葉
閉じた瞳
あの距離。
――冗談じゃ済まされなくなるところだった
「あー。早く卒業してぇわ」
そう呟くと俺はゆっくり立ち上がった。
歩き出した廊下はやけに静かで
さっきまでうるさかった心臓が少しずつ落ち着きを取り戻すのを感じた。
翌朝
練習がオフになった寮はとても静かだった。
そもそも、残ってるやつが少ない。
その静かさが余計にうるさく感じた。
「奪ってやる、お前ごと」
鳴の声
「悔し、かった……」
ユキの泣き顔
その2つが頭の中で何度も繰り返される。
「くそっ……」
ベッドから起きた俺は乱暴に髪をかきあげた。
今の俺にできる事なんて、
決まってる。
「……もう二度と泣かせねぇ」
そう吐き出して
俺はスタッフルームに向かった。