第6章 約束の行方
「別に、避けてなんて――」
「避けてただろ」
言葉を重ねるように即答された。
御幸の真剣な視線に目を合わせられない。
「……気のせいじゃない?」
苦し紛れにそう言うと、御幸は少し眉をひそめた
「じゃあ、なんで目を合わせねぇだよ」
「っ……」
言葉が詰まった。
そんなの、無理に決まってる。
昨日の事を思い出すだけでも心臓がうるさいのに……
「……なんかあるなら言えよ」
その言葉に少し胸が痛くなる。
「……ごめん」
正直になる勇気のない私は、それしか出てこなかった。
御幸は一瞬言葉を止めてから
「……別に謝らなくていいけどよ」
そう言って視線を外した。
「帰るぞ」
そう言って一歩先を歩く御幸の背中は
どこか不機嫌を隠しきれていなかった。
怒ってる……
わかったとしても、どうしたらいいのか分からない。
私は急いで荷物をまとめてその後を追った。
校門を出ると、
ひんやりとした夜の空気が私たちの間を流れた。
隣を歩く御幸の顔を盗み見る。
何かか考え込んでいるかのように視線は合わない。
何か話さないと……
でも、何を……
長い沈黙に耐えきれなくなりそうになった時――
「なぁ」
御幸が先に口を開いた
「今日のあれ、本当になんだよ」
「……あれって?」
「分かってるだろ」
間髪入れずに返ってきた言葉
「ずっと避けてたじゃねぇか」
「……御幸の、気のせいだよ」
私はスタッフルームで聞かれた時と同じように返した。
でも、御幸は違った
「じゃあ何か、昨日の鳴からの告白でも思い出して浮かれでもしてたのかよ」
「ち、違う……」
少し棘のある御幸の言葉に、反射的に否定する。
「じゃあ、なんだよ」
間髪入れずに返ってきた声に私は少し言葉に詰まった。
御幸side
ユキの考えてる事が分からねえ……
いつもならバカにみたいに表情に出してくるくせに……
ほんとに、なんなんだよ……
昨日の鳴の事じゃなければ余計に分からねぇよ
「……」
足を止め、黙り込んだままのユキ
いつもより遠く感じたその距離に心がザワついた。
このまま理由も分からず避け続けられるのは耐えられる自信がない。
「逃げんなよ、ユキ」
俺がぽつりとこぼした言葉にユキの肩が反応した。
やっぱり、何か隠してやがる……