第6章 約束の行方
今の私は、
ただの幼なじみでマネージャー。
それ以上でもそれ以下でもない。
なのに――
昨日引かれて歩いた手の感触が、
私の鼓動を高鳴らせる。
なんであんな事したの……
期待してしまいそうな自分が
本当に厄介だった。
気が付けば、チャイムも鳴り終えていた。
放課後になり部活が始まっても、私は御幸をまともに見れなかった。
視線が合いそうになる度逸らして、会話も最低限。
いつも通りなんて到底無理だった。
意識しすぎてしまって、今の私にはそれが精一杯だった。
御幸side
あからさまに避けられている……
倉持にも「お前、マジでなんかやらかしてるぞ」と煽られる始末……
……なんなんだよ、あいつ。
そう思いながらも、俺の視線は勝手にユキを追っていた。
夢主side
結局、ぎこちなさが拭えないまま一日が終わった。
少しでも御幸と関わるのを短くするために、スタッフルームの資料の整理していた私は、去年の試合のスコアを見つけてずっと読んでしまっていた。
御幸は一年の時から一軍の試合に出てたとは聞いていた。
丁寧につけられているスコアボードを見て、何を思ってリードしたのか、この試合の時は調子悪いなとか、実際は試合観てないのに観た気になって楽しんでいた。
「あれ?まだ誰かスタッフルームいるのか……ってお前かよ……」
夢中になってスコアを広げていた私の集中を切らせたのは、いつも聞いている御幸の声だった。
もう荷物をまとめて寮に戻る姿をしていた御幸に
私は時間を忘れていたことを思い出した。
「……え?あれ?今何時!?」
「もう20時だわ。とっとと帰る準備しろよ、送って行ってやるから」
そう言われて、慌てて時計を見る。
もうとっくに暗くなっている外に少し肩をすくめた。
「ごめん、全然時間見てなかった……」
「……だろうな」
御幸はそう言いながら、私の手元にあるスコアに視線を落とした。
「去年のやつか」
「う、うん……ちょっと気になって」
「ふーん」
御幸の短い返事。
……どうしよう、何を続ければ……
会話が続かない気まずさで気持ちも落ち着かずにいると、御幸が口を開いた
「……お前さ、なんで今日ずっと俺を避けてんの」
ドキッと、心臓が大きくはねた気がした。