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約束の行方【御幸一也】長編

第6章 約束の行方


御幸side

鳴の言葉を止める気はなかった。
そんな立場でもないことはわかっていた。

「俺の恋人になってよ」

その言葉で頭が一瞬、真っ白になった。
ふざけてんのかと思ったが、あいつの顔は本気だった。

ユキの返事を待つ時間がやけに長く感じた。

「……ごめん、今ちょっと返事考えられない……」

その言葉に、少しだけ肩の力が抜けたのはきっと気のせい
じゃない。

逃げんなよ……か、

鳴の視線は確実に俺に向かっていた。

上等じゃねぇか。

心の奥が熱くなるのを感じた。
それと同時に今まで何となく誤魔化し続けていたものが
全て形を成し始めた。

あいつに取られてたまるか――

そう思った瞬間には
俺の足はもう一歩踏み出していた。

「帰るぞ」
そう言ってユキの手を引き鳴の横を通り過ぎる。

俺は鳴に何も言わなかった。
鳴も口を開くことはなかった。

お互いの意志だけがその場で喧嘩していた。

俺はそのままユキを家まで送った。


夢主side

どうやって帰ってきたか、正直覚えていない。

気がついた時には家の近くにいて――
御幸に手を引かれていた。

その手は、少しだけ強く握られていた気がした。

「……着いたぞ」

その言葉に握られていた手は離され、
私は現実に引き戻された。

さっきまで握られていた手に
少しだけ御幸の熱が残っているのを感じる。

「じゃあな」

御幸は短くそう言って顔を背ける。

――いつも通り。

そのはずなのに
なぜだか、いままでと違って見えた。

御幸の背中を少し見送った後、
部屋に入って、ベッドに腰を下ろす。

ようやく一人になった事で、さっきの出来事がゆっくりと頭の中に入ってきた。

「俺の恋人になってよ」

鳴からの真っ直ぐで、迷いのない言葉。

少女漫画の中じゃ、告白って
もっとキラキラして、ドキドキして……

動揺するものだと思っていた。

でも――

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