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約束の行方【御幸一也】長編

第6章 約束の行方


女のくせに……
その言葉についムキになって言い過ぎた。

そう思ったのは、言い終えてから相手のワナワナした顔を見た時だった。

すると、向こうは一度呼吸を整えてから

「私、今日御幸に告白したの」

その言葉に一瞬ドキッとした。

でも――

「それが?私には関係ない――」
「でさ、御幸に好きな人いるって振られたんだけど……」

私の言葉を遮り、相手は話を続ける。

「それって、あなたなんじゃないの?」
「……違う」

視線を逸らし、言葉を返す。

私の胸のザワつきは治まらないまま。

「……はっ、ほんとムカつく」

一瞬鼻で笑ったかのように見えたが
次の瞬間、相手の顔が歪んだ。

「無自覚って、一番タチが悪い」
「え……」

言葉の意味を考えるより先に、
相手の腕がカバンごと振り上げらるのが目に入った。

――避けれない

そう思い目を強く閉じると

「おい、何やってんだよ」

低い声が聞こえた。

私が目を開けるとそこには御幸の背中があった。

相手も一瞬びっくりした顔をしたが、すぐさま私を睨んだ。

「文句あるなら俺に言えよ」

一歩前に出ながら御幸は続ける。

「ユキはうちのマネージャーだ――怪我させたら、マジで許さねぇからな」

張り詰めた空気と御幸の鋭い視線に
何も言えなくなった相手は、さっきまで振り上げていたカバンを下ろして去っていった。

去り際、私の横を通る時に

「……最低」

小さくそう吐き捨てて行った。

その場に静寂した空気が流れた。

「……大丈夫か?」

振り返り、そう聞いてきた御幸の声には
さっきまでの怒りは含まれていなかった。

けど、顔はまだ少し引きつっていた。

私が頷くと、御幸は少し視線を逸らした。

「その……悪かったな、迷惑かけた」

御幸はそういうとぽつりぽつりと話し始めた。

前からしつこく告白してきたことや付きまといみたいな事もあって、先生にも相談済みだった事など、

「今朝も、呼び出された時に少し嫌な予感したんだけど、まさかなって……」
「大丈夫だよ、御幸は悪くないし……早く部活行こう」

私はこれ以上この話題を出さないように話を逸らした。
この胸の奥の違和感を感じたくなかったから――
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