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【文スト】不思議の国の異能少女・陰

第7章 出生


中也と共に行動すると決めたアリスが、先ず向かったのは花屋だった。
中也は適当に花を選んでもらい、それを抱えた。
白い花を中心とした淡い色合いのものが多い。


「こんなに花を大量に買って如何するの」

「次に行くところで使う」

「ふーん?」


疑問に思いつつも、てくてくと中也に着いていくと車で来ていたらしい中也の車に乗り込んだ。

「中也兄、今何歳だっけ」

「あ?17だけど」

「免許取れるっけ?」

「偽造だ」

アッサリと云う中也にそりゃそうだよね、と思うアリス。

アリスはチラリと後部座席を見る。
そこには、さっき買った花以外にも大量の花が積んであった。

「いっぱいある……」

「着いたぜ」

「!」

着いたのはーーー墓地だった。


街の賑やかさが此処には届いていない静かな空間が、そこには広がっていた。
中也は花を降ろすと、墓に適当に備えていった。

そして、手を合わせる。


そうしている中也の後ろ姿をアリスは黙って見ているのだった。


結構な時間が経ち、終わったであろう中也の「帰るぞ」の声でアリスは車に乗り込んだ。

「中也兄の今日の予定ってお墓参りだったんだね」

「ああ」

先日まで行われていた、大規模な抗争ーーー通称、竜頭抗争。

それによりマフィアに多くの犠牲が出たことはアリスの耳にも入っていた。

「ンで?」

「うん?」

「何であんな辛気臭ェ顔で街を彷徨いてたンだよ」

「……そんな顔してた?私」

「してた」

ハッキリと云われてアリスは苦笑する。
アリスは少し躊躇って、口を開いた。

「私、今日が一番嫌いな日なの」

「へぇー」

「誕生日なんだよね」

「誰のだよ」

「私のだよ」

「はァ?!今日が誕生日かよ!」

急に大声になる中也。

「……それなのに嫌いな日なのか?」

コクリと頷くアリス。

「中也兄って小さい頃、如何してたの?」

「急だな」

運転しているため、前を向いたまま反応する中也。
若くしてマフィアなんて組織に所属しているため、ありふれた生活をしてはいなかっただろうと勝手に推察したアリスは、自身のことを話すことにした。


「……私はね。誕生日の次の日に、実験材料として親に売られたの」

「!」


運転が少し乱れる。
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