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【文スト】不思議の国の異能少女・陰

第9章 人拐い


「今日は気分が良いから特別に皆助けてあげるよ」

扉をの前に立つ。

「此処から出たら敵がいるに決まっているだろ!?」

「いいから、騙されたと思ってどうぞ」

「……。」

鏡花が扉の外にでた。
その瞬間、扉の向こう側に、鏡花の姿は無かった。

「「「!?」」」

全員が驚く。

「鏡花を何処にやッたんだい!?」

「心配しなくても安全な場所だよ。ほら早く次。本当に男達が戻ってくる前に」

その一言で、女達は一生懸命に脚を引きずりながら扉の外へ出たのだった。

最後に残ったのは与謝野とアリスだけ。

「アンタは如何するンだい?」

「私も貴女を帰したら帰るよ?早く帰らないと怒られちゃう」

「……。」

与謝野は扉の前に立った。
一歩歩みを進めたときに、アリスが云った。

「治兄によろしくね」

「!」

トン、と背中を押され、アリスの姿は見えなくなった。


扉をくぐった先は、武装探偵社の入ったビルヂングの非常階段前の踊り場だった。

「な…」

与謝野は驚きを隠せないでいると声を掛けられた。

「与謝野女医!」

駆け付けていたのは武装探偵社の社員、中島敦と谷崎潤一郎だった。


「与謝野さんで最後ですか?」

「いや、もう一人……」

そう云うと、遅れながらもう一人現れた。

「その子は此処には現れませんよ」

太宰治だ。

「太宰、あの娘ーーーアリスは一体…」

その問いに太宰は答えない。
ヘアピンを取り出し、拘束具の鍵を全て外していく。

少女達を警察に保護しに行く敦と谷崎。

それを見送って探偵社の屋上に、行く太宰とそれに着いていく与謝野と鏡花。


屋上の扉を開けると、そこには一人の少女が座っていた。


「やぁ、久し振りだねアリス」

「ありゃ。もう見つかったのか」

「アリス!」


ビルヂングの端でに腰掛けていたアリスは、太宰に気付くとゆっくり立ち上がった。

「太宰、知り合いだったのかい?」

「ええ。昔馴染みで」

そう笑顔で云うとアリスの方を見やる。

「心配しなくとも少女達は全員保護したとも」

「まぁ、治兄じゃない人が対応してるし安心かな」

「私も随分丸くなったと思うけど?」

「はいはい。冗談よしてよ」


アリスは呆れた顔して云った。
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