第8章 約束の日
風呂から上がって、昨日食べそこねたケーキを二人で食べて。
時間は既に正午を過ぎていた。
「子供っぽいことを嘆くなら、兄呼ばわりするの辞めろや」
「じゃあなんて呼べばいいの?」
「中也」
「中也……いきなりそう呼んでも怒られない?」
「誰にだよ。俺がそうしろッて云ってんだから構わねーだろ」
「そっか…。じゃ努力する」
「ああ、それとコレ」
「?」
大きな紙袋を渡されて、アリスは首を傾げる。
「姐さんからだ」
「紅葉姐から?」
「誕生日プレゼントだとよ」
「なんだろう」
アリスは紙袋を開けた。
中に入っていたのは洋服一式だった。
「折角だから着てみたら如何だ?」
「うん」
紙袋から服をすべて取り出すとベッドの上に広げて、上から順に着替えていった。
ボルドー色の上品なフリルがあしらわれたブラウスに、目の細かいチェック柄のグレーのスカート。ダークグレーのハイソックスに黒のパンプスーーー。
今まで着用していた服と色合いが真反対の服であった。
「如何かな?」
「似合ってンじゃねーか」
「良かった…」
「大人っぽい色合いだな」
「私もそう思う」
中也も私服を持ってきていたようで、それに着替える。
「じャあ、行くか」
「え?何処に?」
「そりゃあ決まってンだろーーー」