第8章 約束の日
アリスは囲んでいる人達をザッと見渡した。
全員女性。何方かと云うと可愛いではなく綺麗めなタイプの女性ばかりだ。その数、4人。
「何か?」
囲まれた理由が判らないアリスはキョトンとする。
それすらも苛立ちにしかならない囲んだ側の女性は、盛大に舌打ちした。
「私達みたいな下級構成員が、中原幹部からタオルを借りるなど烏滸がましいのよ!そんなことも判らないの!?」
「下級構成員…?タオル……?」
「貴女何処の部隊の人間?全然見かけないと思ったら、中原幹部の訓練の時にだけ顔を出して!」
「えっと…?何処の部隊だろう…?」
「はぁ!?とぼけてるの!?」
「ちょっと!未だ配属も決まってない下っ端の下っ端の癖に出しゃばってるわけ!?」
アリスの頭の中は疑問で埋め尽くされた。
そう云えば、自分は首領に云われてポートマフィアに入り、その後、太宰が離反した際に、『空席を保つ係』に任命された筈だが、部隊と云われれば、何処にも属してないが正しかった。元に、未だにアリスは情報屋としての仕事も請け負っている。
考え込んだが故に黙っていると、4人は続ける。
「私達は、優秀と云われて配属が早かったからじゃない?」
「確かに。私達が所属している尾崎幹部の部隊にこんなちんちくりんなお子様入れるわけないんだから、別の部隊の筈でしょ」
「ち、ちんちくりん!?私のこと!?」
「貴女以外にいるわけ無いでしょ」
「大体なんなの!?何処から如何見ても10代前半の子供が気に入られてるなんて!」
「……否、実際に10代だし…」
「はあ!?本当に餓鬼なわけ!?」
眼の前の女性達はどうやら20代らしい。
それもそうだろう。出るとこ出ていて大人っぽいな、とアリスは自身の身体つきと較べる。
「いい?中原幹部は私達みたいな大人が好みなの。でもお優しい方だから子供にも好かれるわ」
「貴女なんて所詮ただ子供だから可愛がられているだけ。自惚れない事ね」
「はぁ…」
「それから、名前も気安く読んでなかったかしら!?図々しい真似止め「何してンだ?」……!?」
いつの間にか、4人の後ろに中也が立っていた。
何時からそこに居たのか。4人が動揺し始める。