【呪術廻戦】年下のきみが可愛くて。/みんな×主(先生)
第23章 結婚式×乙骨
会いたかった人がそこにいた。
それだけで胸の奥がじんわりと温かくなる。
「久しぶりっ――」
言いかけて、ふと首を傾げる。
「……っていうほどでもないかな?」
くすりと笑う。
たまに電話もしていたし、連絡だって頻繁に取っていた。
けれど。
乙骨はそんなの前まで来ると、小さく首を横に振った。
「1か月半ぶりだよ。」
どこか拗ねたような声音だった。
「十分、久しぶりだよ。」
そう言った次の瞬間。
ふわりと腕が伸びる。
気付けば身体ごと抱き寄せられていた。
「わっ……」
驚く間もなく、ぎゅう、と力が込められる。
優しいのに、離したくないと言うように強い。
肩口へ額が触れた。
「憂太くん」
呼びかけると、小さく息を吐く気配がした。
そして。
「……会いたかったです。」
愛情たっぷりの声だった。
その一言に胸が締め付けられる。
連絡を取っていても。
声を聞いていても。
こうして触れられる距離にはいなかった。
その寂しさを今になってようやく実感する。
はそっと笑うと、乙骨の背中へ腕を回した。
「うん。」
肩越しに優しく答える。
「私も会いたかった。」
その言葉を聞いて、乙骨はようやく少しだけ力を緩めた。
名残惜しそうに身体を離すと、今度は足元のキャリーケースへ視線を落とす。
「荷物、持つよ。」
自然な仕草でキャリーの取っ手に手を伸ばす。
「あっ、大丈夫――」
「持つ。」
食い気味に返されて、思わず笑ってしまった。
乙骨は何事もなかったかのような顔でキャリーケースを引き始める。
その横顔を見ながら、は小さく肩を竦めた。
「ふふっ、ありがとう。」
「んーん。これくらいさせてよ!飛行機も疲れたでしょ?」
心配そうな声だった。
「大丈夫?」
「うーん……」
曖昧に笑う。
正直なところ、疲れていないと言えば嘘になる。
長時間のフライトに時差。
機内では眠れたような眠れなかったような状態だった。
すると乙骨は少し考えるように視線を泳がせた。
「えっと……」
珍しく言葉を選ぶような間。
「一旦帰って仮眠取る……?」
どこか遠慮がちな提案だった。
無理をしてほしくない。
そんな気持ちが見え隠れしていて、思わず頬が緩む。