【呪術廻戦】年下のきみが可愛くて。/みんな×主(先生)
第22章 オーマン×凶兆×夏油
「面白いじゃないか。」
次の瞬間。
「乗ってみよう。」
「えっ。」
止める間もなく、夏油は近くに停められていたスクーターへ近付いていく。
「ちょ、ちょっと!」
主人公は慌てて腕を掴む。
「他人のモノですから!」
「少しくらい――」
「だめです!」
「ちょっとだけ――」
「だめです!!」
ぐいぐい引っ張る。
夏油も少しだけ抵抗する。
傍から見れば完全に大きな子供と保護者だった。
数秒後。
ようやく引き剥がされた夏油は不満そうな顔をしている。
は額を押さえた。
「まったく……。」
深いため息。
「本当にこういうところ“も”、五条さんに似てるんですね…。」
「それは心外だな。」
「いいえ、そっくりです。」
即答だった。
夏油は肩をすくめる。
そこから少し歩いて石畳の道の先。
海を見下ろす小高い場所に、一棟の白い建物が見える。
地中海らしい開放感のある建築だった。
「ほら。」
微笑む。
「あそこが今回泊まる宿泊施設です。」
夏油は視線を向ける。
「なるほど。」
「悪くない。」
「でしょう?」
少し得意げに笑った。
その日から、キプロスでの生活が始まった。
だが、その後も二人の関係が大きく変わることはなかった。
相変わらず別行動が基本だったし、はで仕事に追われていた。
それでも――。
夏油は以前より少しだけ肩の力が抜けたように見えた。
顔色も良い。
仕事を終えた後、一緒に食事をする機会も増えた。
キプロスの海を眺めながら夕食を取った日もあれば、小さなカフェで他愛のない話をした日もある。
気付けば笑い声が飛び交うことも増えていた。
穏やかな日々だった。
そして迎えた9月24日。
荷造りを終えたは夏油へ声を掛けた。
「夏油さん。」
「ん?」
ソファに腰掛けていた夏油が顔を上げる。
「私は、日本へ一時帰国します。」
「そうか。」
は小さく頷いた。
「ホテルは延泊してありますので、好きに使ってください。
27日ごろには次の国へ行きます。」