【呪術廻戦】年下のきみが可愛くて。/みんな×主(先生)
第22章 オーマン×凶兆×夏油
9月13日
キプロス
どこまでも続く青空。
オマーンのような灼熱ではなく、ギリシャよりも少し柔らかな陽射し。
空港を出た二人は、そのまま街へ向かって歩き始めた。
白やベージュを基調とした建物が並び、遠くには青い海が見える。
観光地らしい華やかさはあるものの、ギリシャとはまた違う落ち着いた雰囲気が漂っていた。
「で、ここはどういう島なんだい?」
「島というか、一応国ですけどね。広さは、おおよそ9,000㎢くらいです。わかりやすく言うと…」
「わかりやすく言うと?」
「青森県くらいですかね」
「…君、本当に教師なんだね。感心するよ。」
「そうですか?ちなみに公用語はギリシャ語とトルコ語。」
“英語も結構通じるみたいです。”そういいながらにっこりと笑う。
「便利だね。」
「正直英語以外は話せないので助かりますね。」
そんな、他愛のない会話をしながら目的地へ向かう。
道端には小さなカフェ。
土産物屋。
スクーターに乗った若者たち。
のんびりとした時間が流れていた。
その時だった。
ブォォォン。
一台のスクーターが目の前を通り過ぎる。
夏油は何気なく視線を向け――
足を止めた。
「今のは…」
「あぁ、この島は、ちょっと特殊で」
そういいながら、島民について語る。
「私たち一家と少し似ているんですが、島民全員が生まれながらに微量の呪力を認知しているそうです。」
「ほう。」
「もちろん術師みたいに戦えるわけじゃありません。
でも、その代わりに呪力を生活の一部として活用しているんですよ。」
走り去っていくスクーターへ視線を向ける。
「ああやって。呪力を動力として利用したり。
照明や機械の補助に使ったり。
不思議ですよね。」
地中海の風が吹き抜ける。
遠くでは別のスクーターが走り、路地の先では子供たちが楽しそうに遊んでいる。
夏油はしばらく景色を眺めていた。
そして、ぽつりと呟く。
「……こんなに平和な島があるのか。」
「ええ。」
「ただ、微量な呪力とはいえ繊細なコントロールが必要なので――」
そう言って先ほどのスクーターを指差す。
「あれ、免許制なんです。」
「へぇ!」
夏油の目が少し輝いた。