【呪術廻戦】年下のきみが可愛くて。/みんな×主(先生)
第22章 オーマン×凶兆×夏油
だが、理由が理由なだけに、わざとついてきた夏油と居候しつつも
互いに別行動をとりながら仕事をこなした。
夏油は、変わらず2人の行方を追っているようだ。
丸2日帰ってこない日もあった。
たまに顔を合わせると寝不足なのが分かった。
「…夏油さん、ちゃんと寝てくださいね」
「君が一緒に寝てくれるなら眠れるんだけどね」
冗談交じりのその笑顔には疲れ切った様子が伺える。
10年も一緒に生活してきた2人が突然消えて、
気が気ではないのだろう。
眠れない気持ちはよくわかる。
自分がそうだったから。
そしてさらに日付は変わり9月12日。
「夏油さん。私は明日、キプロスに移動しますが…」
「そうか。それは何処なんだい。」
「地中海東部にある小さな島国です。
…一緒に行きませんか」
夏油が目を瞬かせる。
珍しく、本当に意表を突かれたような顔だった。
「……。」
口元に小さな笑みが浮かぶ。
「君が誘ってくるとは。」
肩の力を抜きながら、どこか楽しそうに続ける。
「どういう風の吹き回しかな?」
そして少し目を細めた。
「私としては嬉しいけど。」
しばらく黙ったまま夏油を見る。
やがて静かに口を開いた。
「今の夏油さんを見ていられません。」
その一言に、夏油の表情がわずかに止まる。
「見ていて心配です。
それに、次の行き先も決めていないんですよね?
だったら。
宿は好きに使っていいので。
一緒に来てください。」
半ば命令のような言い方だった。
断らせる気など最初からない。
そんな声音。
夏油は数秒間、主人公を見つめていた。
やがて小さく笑う。
本当に小さく。
「……困ったな。」
夏油は肩をすくめた。
そして観念したように息を吐く。
「わかった。」
静かに立ち上がる。
「そこまで言うなら、お言葉に甘えよう。」