【呪術廻戦】年下のきみが可愛くて。/みんな×主(先生)
第22章 オーマン×凶兆×夏油
数日後――。
出発の日はあっという間にやってきた。
ホテルのロビー。
スーツケースを横に置いたは、迎えの車が来るまでの間、最後の荷物確認をしていた。
「それでは、また。」
そう言って軽く頭を下げる。
「有益な情報があれば、連絡します。」
ヒナタとハヤミの件。
結局、この数日で有力な手掛かりは得られなかった。
だが、何もしないよりはいい。
できる限りのことは続けるつもりだった。
夏油は静かに頷く。
「ああ。こちらも何かわかったら伝えよう。」
それだけだった。
互いに深く踏み込むこともなく、かといって完全に無関係でもない。
不思議な距離感のまま。
小さく会釈をすると、ホテルを後にした。
窓の外には、灼熱のオマーンの空が広がっていた。
そして数時間後。
カタール。
ドーハ・ハマド国際空港。
「えっと……。」
スマホと搭乗券を交互に見比べる。
「ギリシャ行き……。」
広大な空港。
聞き慣れない言語。
大量の案内表示。
「……あ、あれかな?」
少し不安そうに案内板を見上げる。
それらしいゲート番号を見つけて足を進めるが、
途中でまた立ち止まる。
「いや、違う……?」
数秒悩む。
「んんっ…。」
また案内板を見る。
「合ってる。」
歩く。
「やっぱ違う?」
立ち止まる。
そんなことを数回繰り返しながら、どうにか乗り継ぎゲートへ辿り着いた。
「海外赴任より乗り継ぎの方が難しい気がする……。」
小さく肩を落とす。
幸いにも搭乗には間に合った。
ギリシャは思ったよりも平和だった。
だが…
「やぁ」
「…夏油さん」
数時間前に分かれたはずの男が涼しげな顔でこちらを見ていた。
「奇遇だね」
「…わざとですよね。」
数日前ホテルで次の予定を聞かれたことを思い出す。
「そんなことはない」
わざとらしく答える夏油。