【呪術廻戦】年下のきみが可愛くて。/みんな×主(先生)
第22章 オーマン×凶兆×夏油
――ピピピピッ。
静かな部屋に、スマートフォンのアラーム音が響く。
薄く目を開ける。
「ん……」
寝ぼけたままアラームを止め、ゆっくりと上半身を起こす。
隣へ視線を向けたがそこには誰もいない。
「……?」
ベッドは空。
シーツに残るわずかな乱れだけが、そこに誰かがいたことを示している。
軽く身支度を整えると、寝室を出た。
リビングへ向かう。
大きな窓の向こうには、朝日に照らされたマスカットの街並み。
その前に立つ夏油。
片手には氷の音を立てる珈琲。
窓の外を眺めながら、どこか穏やかな表情をしている。
に気付くと、ゆっくり振り返った。
「おはよう」
「おはようございます」
少しだけ安堵したように微笑む。
「体、大丈夫ですか……?」
昨夜の様子を思い出しながら尋ねると、夏油は肩をすくめた。
「あぁ、おかげさまでね」
そう言うと、テーブルに置いてあったもう一つのコップを手に取る。
「はい。」
「…ありがとうございます」
ソファに腰掛け、差し出されたカップを受け取った。
しばらく静かな時間が流れる。
窓の外では、異国の朝がもうすでに動き始めていた。
コーヒーを見つめながら、小さく口を開く。
「その……昨日……」
すると夏油は首を傾げた。
「昨日?」
「はい、その……」
言葉を探していると、夏油は本当に心当たりがないような顔をする。
「何かあったかな?」
まるで記憶にございません、とでも言いたげな表情。
数秒見つめたあと、諦めたように息を吐いた。
「……いえ、何も」
「そうかい?」
夏油は楽しそうに目を細める。
そしてコーヒーを一口飲んだ後、
「ふふっ」
小さく笑った。
「まさか君が、あんな風に水を飲ませてくれるとは思わなかったけどね」
「――っ」
昨夜の記憶が一気によみがえる。
「…夏油さんって、五条さんに似ています」
「そうかな?そういえば、前にも君にそんなことを言われたような気がするよ」
夏油は肩を揺らして笑う。
「今回“は”、手を出さなかったのだから許してほしいものだね」
「…。」
――この人は本当に、厄介だ。