【呪術廻戦】年下のきみが可愛くて。/みんな×主(先生)
第22章 オーマン×凶兆×夏油
「今回の海外赴任が終わったら、ゆっくり考えるつもりです。」
光を受けて、指輪がわずかにきらりと光る。
大切そうに見つめるその横顔を、夏油は静かに見ていた。
ほんの数秒の沈黙。
そして夏油の目が、すっと細くなる。
先ほどまでの柔らかさとは違う、静かで計算の混じった視線。
(……なるほどね)
言葉にはしないまま、彼はゆっくりとグラスを傾けた。
「あぁ、そうだ。私もシャワールーム使ってもいいかい?」
夏油が何気なくそう言うと、少し手を止めてから頷いた。
「もちろんです。
シャンプーとかそのあたり、
私のでよければ好きに使ってくださいね。」
そう言いながら、テーブルの上の資料や荷物を手早くまとめていく。
その動きを見て、夏油は軽く目を細めた。
「ありがとう」
短く礼を言い、彼はそのままシャワールームへと向かう。
扉が閉まる音がして、室内が一段と静かになる。
「さて……」
小さく息を吐くと、財布を手に部屋を出た。
ホテル内の売店は、深夜のためか人も少ない。
棚の前で少しだけ視線を巡らせて、ぽつりと呟く。
「夏油さん……これくらいかな……
五条さんと同じくらいだから、これでいっか」
手に取ったのは、シンプルなTシャツと替えの部屋着。
そのまま会計を済ませると、足早に部屋へ戻り、
すぐにバスタオルと買ってきた衣類を丁寧にまとめる。
シャワールームの前で軽くノックした。
「着替えとバスタオル、ここに置いておきますね」
返事を待たずに、そっと扉を少しだけ開ける。
湯気がふわりと漏れ出した。
ガラス張りのシャワールームを見ないよう…
背を向けたまま、手元だけをそっと差し入れて、床近くに静かに置く。
「……失礼します」
すぐに扉を閉めた。
中から、わずかに水音が止む。
そして一拍遅れて、低い声が返ってきた。
「……!」
ほんの少し、驚いたような気配。
理由はまだ語られない。
だが、続けて落ち着いた声が響く。
「ありがとう」
湯気の向こうで、静かにそれだけが返された。