【呪術廻戦】年下のきみが可愛くて。/みんな×主(先生)
第22章 オーマン×凶兆×夏油
そして。
ふと視線の先に人影を見つけた。
海を眺める一人の男。
長身。
特徴的な髪型。
見覚えのある背中。
まさか。
そんなはずはないと思いながら足を止める。
男がゆっくりとこちらを振り返った。
夕陽を背に。
口元に薄く笑みを浮かべる。
「やあ。」
その声を聞いた瞬間、確信した。
夏油傑だった。
「あっ…。」
思わず声が漏れた。
「夏油さん…!?」
海風が吹き抜ける。
夕陽に照らされた男は、以前と変わらない穏やかな笑みを浮かべていた。
「どうして……こんなところに?」
率直な疑問だった。
日本ならまだしも、ここはオマーン。
日本から何千キロも離れた異国の地。
そんな場所で偶然出会うには出来すぎている。
すると夏油は小さく肩を竦めた。
「君に会いたくてね。」
「……。」
は思わず複雑な表情になる。
じっと目を細める。
そんな反応を見て、夏油は楽しそうに笑った。
「あはは。」
「な、何ですか…。」
「なんで場所が分かったのか知りたそうな顔をしている。」
図星だった。
隠す気もなく視線を向けると、夏油は海へ目を戻した。
夕日に染まる海面を見つめながら口を開く。
「特級になったんだって?すごいじゃないか。」
「……あまり嬉しくはないんですけどね。」
苦笑いをする。
「知っているかい?」
穏やかな声。
けれどどこか現実的な響きがあった。
「特級になると、一般術師に比べて情報が出回りやすい。」
その言葉には小さく眉を寄せる。
「君が8月16日に成田空港からここへ来たことは、わりとすぐに分かったよ。」
「…!」
「ま、さすがにホテルの場所までは分からなかったけどね。」
さらりと言う。
言われてみれば当然かもしれない。
特級術師の海外派遣。
それだけで呪術界では大きな話題になる。
「そ、そうですか……。」
微妙な気持ちになる。
今後は行動にも気を付けた方がいいかもしれない。
そんなことを考えながらも、本題へ戻した。
「それで。」
夏油を見る。
「私に会いたかった理由は…?」