【呪術廻戦】年下のきみが可愛くて。/みんな×主(先生)
第21章 特級×約束×乙骨
――その時。
『まもなく搭乗開始となります』
アナウンスが流れた。
「あ。」
現実に引き戻される。
「もう行かなきゃ。」
少しだけ名残惜しくて。
それでも搭乗口へ向かう。
何度も振り返りそうになるのを堪えながら。
そして。
エスカレーターへ近づいた時だった。
「さん。」
呼ばれる。
振り返る。
「ん?」
次の瞬間。
ぐっと腕を引かれた。
「っあ――」
気付けば。
温かな腕の中だった。
ぎゅう、と。
強く抱きしめられる。
周囲の音が遠くなる。
耳元に落ちる静かな声。
「行ってらっしゃい。」
たったそれだけ。
なのに。
涙が出そうになるくらい優しかった。
はそっと乙骨の背中へ腕を回す。
「……うん。」
小さく頷く。
「行ってきます。」
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20✕✕年8月16日
天候:快晴
成田国際空港
第1ターミナル
14:25発
WY816便
Muscat, Oman
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エスカレーターを上がっていくの背中は、やがて人混みの中へ溶けていった。
姿が見えなくなっても。
乙骨はしばらくその方向を見つめたまま動かなかった。
左手には、さっきまで触れていた温もりが残っている気がする。
「……行っちゃいましたね。」
ぽつりと漏らす。
すると隣で見守っていた五条が、大げさに肩を竦めた。
「まったく。」
「?」
「ガキがプロポーズなんて。」
「あはは……。」
思わず苦笑する。
だが次の瞬間。
五条はサングラス越し目を細めてじろりと乙骨を見た。
「ちゃんと五条家に挨拶来なよ?」
「え。」
「一応?保護者みたいなもんだからね?」
「いや、それは……。確かに…。」
乙骨の顔が一気に引きつる。
「その……後々……。」
「後々?」
「行かせていただきます……。」
その返答に五条は吹き出した。
「あははっ!」
「笑わないでくださいよ。」
ケラケラと笑う五条に、乙骨は困ったように頭を掻いた。
その様子が妙に微笑ましい。
ひとしきり笑ったあと。
五条はふと思い出したように口を開く。