【呪術廻戦】年下のきみが可愛くて。/みんな×主(先生)
第21章 特級×約束×乙骨
「っていうかさ。」
「はい?」
「ちゃん、12月中旬くらいまで海外赴任だけど。」
「はい。」
「9月末くらいかな。一回帰国するよ?」
「……え?」
乙骨が固まる。
「そ、そうなんですか?」
「聞いてないの?」
「聞いてないです。」
「へぇ。」
面白そうに五条が笑う。
「七海の結婚式。」
「あ。」
その一言で全て繋がった。
確かに、そんな話をずいぶん前にしていた気がする…。
「なるほど。」
確かに。
少しだけ安心する。
4か月。
そう思っていた時間が、急に短くなった気がした。
9月末。
もう一度会える。
「でも。」
乙骨がぽつりと呟く。
「ん?」
「1か月半か……。」
その言葉に五条は思わず笑う。
「短いじゃん。」
「長いですよ。」
即答だった。
五条は肩を震わせる。
本当に分かりやすい。
乙骨は小さく息を吐いた。
そして。
もう見えるはずもないエスカレーターの先へ視線を向ける。
人混みの向こう。
ガラス張りの通路。
そのどこにも、もう彼女の姿はない。
それなのに。
「……待てないですね。」
小さく笑う。
困ったように。
けれどどこか幸せそうに。
左手をポケットへ入れる。
そこには、指輪のケースが入っていた。
空っぽになったケース。
けれど、不思議と胸の中は満たされている。
次に会う時は9月。
そして――
約束の未来は、その少し先。
乙骨はもう一度だけ見えない背中を追うように視線を上げると、ゆっくりと歩き出した。