【呪術廻戦】年下のきみが可愛くて。/みんな×主(先生)
第10章 original
けれど。
脱衣所へ足を踏み入れた瞬間、夏油の目がわずかに細められた。
は壁へ背を預けたまま座り込んでいた。
ほんの一瞬。
それだけの時間だったはずなのに。
既にハヤミの呪力に深く侵食されている。
熱に浮かされたみたいに瞳はうつろで、呼吸も浅い。
ぽたり、と透明な涎が口端から落ちる。
そして。
「……はや、み……」
掠れた声で、名前を呼ぶ。
その姿を見た夏油は、静かに目を伏せた。
夏油「……コッチの方が重症かな……」
どこか呆れたように呟きながら、目の前へしゃがみ込む。
夏油「」
優しく名前を呼ぶが、反応は鈍い。
体内で暴れる呪力を抑えきれていないのだろう。
指先は小刻みに震えていた。
夏油は小さく息を吐くと、そのままそっと抱き上げる。
熱い。
抱えた身体から異常な熱が伝わってくる。
は薄く目を開けたまま、ぼんやりと夏油を見上げた。
けれど焦点は合っていない。
夏油「……だいじょうぶ。少し眠るといい」
低く穏やかな声。
夏油はそのまま抱え、自室へ向かって静かに歩き出した。
・
・
・
正直、そこから先は、あまり覚えていない。
夢を見ているみたいだった。
ぼんやりと霞む視界。
優しく頭を撫でる、夏油傑の大きな手。
熱に浮かされた身体。
太ももを這う感触。
中をかき乱されるみたいな感覚。
息がうまくできなくて、頭がふわふわして。
気持ちいいのか、苦しいのかも、よくわからなかった。
ただ、目の前に見える夏油の優しい笑みが、熱っぽい。
そして。
──ぷつり。
突然、映像が途切れる。
次に目を開けた時には、もう静かな夜だった。
しん、とした部屋。
障子の向こうから、淡い月明かりだけが差し込んでいる。
隣には、誰もいない。
「……」
ぼんやりと天井を見つめた。
(さっきのは夢……?)
そう思おうとする。
けれど。
あまりにも感覚が生々しく残っていた。
熱も。
触れられた感覚も。
全部。
「っ……」
耐えきれなくなったみたいに、再び布団へ顔を埋める。
耳まで熱い。
「私……最悪だ……」