【呪術廻戦】年下のきみが可愛くて。/みんな×主(先生)
第10章 original
屋敷へ戻る頃には、外はすっかり夕方へ傾き始めていた。
玄関をくぐった瞬間、張り詰めていた空気が少しだけ緩む。
その中で、ヒナタが申し訳なさそうに視線を落とし、
ヒナタ「さん、ごめんなさい……」
と、小さく呟いた。
すると、すぐにふわりと笑って、
「いいのいいの、無事でよかった」
そう言いながら、安心させるようにヒナタの頭を優しく撫でる。
その様子を見ていたハヤミが、深いため息をつきながら、
ハヤミ「……ったく」
と、呆れたように漏らした。
するとヒナタが、ぴっと兄を指差す。
ヒナタ「お兄ちゃんはやりすぎだから!」
ハヤミ「は?」
ヒナタ「見てよそれ!!」
ヒナタの視線の先。
そこには、呪霊を派手に祓いまくったせいで、
呪霊の血痕なのか、体液なのかもわからない
黒っぽい液体をあちこちに浴びたハヤミの姿があった。
服にも。
腕にも。
頬にまで飛び散っている。
ヒナタは心底嫌そうな顔で、
ヒナタ「うわぁ……」
と、一歩引いた。
まるで気持ち悪いものを見る目だった。
ヒナタ「その状態で近寄らないでくれる・・・?」
ハヤミ「お前なぁ……」
ハヤミが眉をひそめる。
そんな兄妹のやり取りを見て、は
思わず小さく吹き出した。
──少し前。
呪霊を祓い終えた山道。
しゃがみ込んでいたヒナタへ、ハヤミが駆け寄る。
ハヤミ「大丈夫か!?」
ヒナタ「う、うん……」
ほっとしたように息を吐いたあと、ハヤミは当然のように言った。
ハヤミ「怪我してんだろ。俺が家までおんぶしてやるよ」
一瞬。
ヒナタの動きが止まる。
ヒナタ「…………え」
絶句。
そしてゆっくり、兄を見る。
全身に飛び散った黒い液体。
呪霊の残骸。
焦げた匂い。
ヒナタ「……ちょっと、いやかも……」
ドン引きした目だった。
ハヤミ「はぁ!?」
ショックを受けた声を上げる横で、がくすっと笑う。
「私がおんぶするよ?」
その瞬間。
ヒナタはぱぁっと顔を明るくした。
ヒナタ「っ……!!」
声には出さない。
けれど、ぶんぶんっと勢いよく頭を縦に振る。
その反応を見たハヤミが、
ハヤミ「・・・おいおい。」
と、本気で傷ついた顔をしていた。