【呪術廻戦】年下のきみが可愛くて。/みんな×主(先生)
第9章 春夏秋「冬-3」
すると夏油は、蘆屋の考えを読んだように口を開いた。
夏油「私が中国へ行っていた目的は、青龍と応龍だよ」
さらり、と恐ろしいことを言う。
夏油「あぁ、お好みがあれば、青龍にするかい?」
まるで車でも選ばせるような軽さだった。
「…す、すごいですね……」
夏油はそんな反応を楽しそうに眺めながら、
応龍の背へ誘導する。
硬質な鱗。
けれど不思議と温かい。
(応龍も、古代神話では“超高位存在”とされている。
青龍なんて、四神の一つと言われているほどの龍。
別名“空を裂いて現れる神獣”……これを、従えたの?
信じられない)
夏油はまるでその疑問へ答えるように視線を向けた。
夏油「私の術式は、“呪霊操術(じゅれいそうじゅつ)”
取り込んだ呪霊を、操る術式だよ」
そう説明しながら、応龍の頭部へ軽く触れる。
「呪霊操術・・・なるほど・・・。」
夏油「──さぁ、行こうか」
低い声が落ちた瞬間。
応龍が低く唸る。
次の瞬間──。
轟と巨大な翼が風を叩いた。
「……!?」
身体がふわりと浮く感覚。
地面が、一瞬で遠ざかっていく。
白い龍は高層ビル群の間を縫うように駆け上がり、
そのまま空へ躍り出た。
眼下に広がる雲海。
頬を撫でる冷たい風。
応龍は安定した動きで、大空を悠々と飛び続けた。
──蘆屋は、ゆっくりと息を吸い込む。
すぅ──……。
澄み切った空気が肺いっぱいに満ちていく。
高層ビルの空気とはまるで違う。
冷たくて、軽くて、どこまでも透明だった。
その様子を背後から眺めながら、夏油は小さく笑う。
夏油「ふふ、君は本当に……」
その先を濁すように言葉を止める。
すると蘆屋は振り返り、にこっと笑った。
「……私、冬の澄んでる空気を、いっぱい自分の中に入れるのが好きなんです」
朝日に照らされた瞳が、きらきらと揺れる。
夏油はその笑顔を静かに見つめた。
まるで眩しいものを見るみたいに、目を細めながら。
しばらくして。
ふと空を見上げたまま問いかける。