【呪術廻戦】年下のきみが可愛くて。/みんな×主(先生)
第9章 春夏秋「冬-3」
「……そういえば、これからどこへ行くんですか?」
すると夏油は少しだけ意味深に笑った。
夏油「ついてからのお楽しみだよ
……きっと、気に入ると思う」
その言い方が妙に含みを持っていて、蘆屋は少しだけ不思議そうな顔をする。
けれど、それ以上は聞かなかった。
応龍はただ静かに空を進み続ける。
気づけば、時間はあっという間に過ぎていた。
三時間ほど経っただろうか。
空の上という非現実の中で、二人はたくさん話をした。
中国でのこと。
高専のこと。
五条悟の話。
くだらない雑談まで。
不思議なくらい自然だった。
ずっと前から知っていたみたいに、言葉が途切れない。
その穏やかな時間が、心地よかった。
そんな中、風が吹くたび、蘆屋の髪が大きく揺れていた。
その様子を見ていた夏油が、ふと声をかけた。
夏油「……さすがに冷えてきたかな?」
蘆屋は少し肩を竦めながら、小さく笑う。
「そうですね・・・
呪力で覆っているとはいえ……少し冷えちゃったかも……」
そう言って、コートの前をきゅっと握りしめる。
すると夏油は穏やかに目を細めた。
夏油「もうすぐ到着するよ。それまでは、こちらへおいで」
そう言いながら、夏油は蘆屋を優しく自分の方へ引き寄せた。
「……っ」
ぐらり、と身体が傾く。
次の瞬間には、ぴったりと夏油の隣へ収まっていた。
肩が触れる。
体温が近い。
背後から包み込まれるみたいな距離感。
夏油は蘆屋が風を直接受けないように位置を調整すると、
そのまま静かに応龍の背へ手を添えた。
夏油「これなら少しは暖かいだろう」
耳元近くで響く声。
蘆屋は一瞬どきりとしながらも、小さく頷く。
「……はい」
目的地到着まで後15分。
見えてきたものは立ち上る湯気と山々・・・
ここは一体。