【呪術廻戦】年下のきみが可愛くて。/みんな×主(先生)
第9章 春夏秋「冬-3」
「い、いえ!何でもないです……!」
誤魔化すように視線を逸らす。
そんな様子を見て、夏油は小さく笑っただけだった。
夏油「そうかい?」
そしてベッドからゆっくり足を下ろす。
夏油は軽く髪をかき上げながら、穏やかに言う。
夏油「準備をしたら行こうか
今日は少し、長い一日になるからね」
そう言って微笑みかけると、
静かな足取りで部屋の奥へ歩いていった。
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早朝の東京。
まだ人通りの少ない高級ブティック街に
静かな空気が流れていた。
ガラス張りの店内。
柔らかなクラシック音楽。
磨き上げられた床。
そして、その中心で。
夏油「……これもいいね」
んー……いや、こっちかな」
次々と服を選び出す夏油。
その動きには迷いがない。
完全に楽しんでいる。
蘆屋は試着室から半分顔を出したまま、
若干引き気味だった。
「げ、夏油さん……?」
夏油「うん?」
「その……私、もう十分です……」
夏油「そうかい? まだ始まったばかりだけど」
にこり。
爽やかな笑顔。
しばらくして、夏油が新たな服を差し出す。
シンプルながら上質な生地。
見るからに高そうだった。
蘆屋は値札をちらりと見て──固まる。
「・・・っ!こ、この服はちょっと……」
そこまで言った後、絶句した蘆屋を見て、
夏油は不思議そうに首を傾げる。
夏油「これかい?」
ひらり、と服を広げながら微笑む。
夏油「とっても似合うと思うんだけど」
さらっと恐ろしいことを言う。
夏油「……ふむ」
と考える素振りをしたあと。
夏油「これと、これ。
それから、あちらの服もくれるかい?」
まるで日用品でも選ぶみたいな軽さで、
次々と服を店員へ渡していく。
対応しているのは、執事のような男だった。
店員「かしこまりました」
慣れた様子で服を受け取っていく。
その光景を、ただ呆然と見ていた。
夏油は満足そうに頷く。
夏油「うんうん、いいね。
これを着て会いに行こうか」
満面の笑み。
完全に楽しんでいる顔だった。
会計時にちらりと見えてしまった総額に、静かに目を見開く。
(こ、この人……)