【呪術廻戦】年下のきみが可愛くて。/みんな×主(先生)
第9章 春夏秋「冬-3」
どれくらい目を閉じていただろうか。
けれど、意識は冴えていた。
(ハヤミとヒナタが、生きている。
その事実だけで胸がいっぱいなのに
──10年越しに再会して、私は何を言えばいいんだろう。)
頭の中で、何度も考える。
元気だった?
会いたかった。
生きていてくれてよかった。
……考えれば考えるほど、呼吸が浅くなる。
眠気がまた1歩遠のく。
そして、不意に。
以前、夏油へ向けて吐いた言葉が脳裏をよぎった。
『……私は。あなたがしたことを、理解できない。』
あの時の、自分の声。
責めるような視線。
「……。」
また、ぎゅっと目を閉じる。
(私、最低だ)
そこまで考えていると、
自分の肩に力が入っていることに気づく。
すると背後から、静かな声が落ちた。
夏油「……寝れないのかい?」
蘆屋は小さく目を見開く。
気づかれていた。
振り返ることはできないまま、そっと頷く。
「……はい」
掠れた声。
その後ろ姿を、夏油は静かに見つめていた。
やがて、ベッドが小さく軋む音がする。
そして、そっと。
夏油がこちらへ近づいてくる気配。
夏油「……寝る前に話すべきではなかったね」
低く、落ち着いた声。
夏油「私の落ち度だ」
そう言いながらも、夏油は触れることなく、
ただ隣へ静かに腰を下ろすだけ。
近い。
けれど、触れない。
その絶妙な距離感が、余計に心を落ち着かない。