【呪術廻戦】年下のきみが可愛くて。/みんな×主(先生)
第9章 春夏秋「冬-3」
「私が…生き残りだからですか?」
蘆屋は少し眉を寄せながら、探るように尋ねた。
夏油は否定も肯定もせず、ただ穏やかに目を細める。
夏油「私はあの日、君を見つけて、運命だと思ったよ」
「……あの日?」
訝しげに目を細める。
すると夏油は静かに窓の外へ視線を向けた。
夏油「そう。1年ほど前だったかな。
君を中国の──泰山で見つけた」
その言葉に、蘆屋は小さく目を見開いた。
「あ……」
思い当たる節があるような声。
「見てたんですね。
・・・・あそこは、天と地を繋ぐ場所。
たまに・・・
ごくたまに。ですが、すごく落ち込むことがあるんです。」
夜景を見つめる蘆屋の横顔に、わずかな寂しさが落ちた。
「みんなに会いたいなー、なんて」
自嘲気味に笑ってみせる。
「もう10年もたつのに。」
静かな沈黙。
夏油はゆっくりと口を開いた。
夏油「泰山で君が天へ祈りながら、
呪力を放出している姿に魅入ってしまってね」
穏やかな声音だった。
だが、その言葉には妙な熱が滲んでいる。
夏油「……あの場所は、誰でもが入れる場所じゃない」
夏油はそこで蘆屋へ視線を戻す。
夏油「君は、まるで導かれたように。
まるで、天に愛されているようだったよ。」
夏油は穏やかに微笑んだまま、言った。
夏油「そして……そんな君が、
高専の懐かしい服を着ているのを見て、
すぐに悟が絡んでいることを察したよ。」
そして、一呼吸置く。
夏油「──ここからは、
少し刺激の強い話になるかもしれない」
静かな声音。
夏油「それでも聞きたいかい?」
蘆屋は迷うように目を伏せたあと、小さく頷いた。
「…はい」
促されるまま、ソファの向かいへと腰を下ろす。
ふかふかとした高級な感触が、逆に落ち着かない。
テーブルに置かれた紅茶からは柔らかい湯気が立ち上っていて、
その水面に高層ビル群の灯りがぼんやりと反射していた。
夏油は静かに口を開く。
夏油「……そうか。
では……君の言うか"あの日"のことだ」
そこから淡々と続けた。
夏油「……結論から述べると、生き残ったのは君だけじゃない」