【呪術廻戦】年下のきみが可愛くて。/みんな×主(先生)
第8章 春夏秋「冬-2」
朝は静かだった。
薄く差し込む光の中で、最初に目を覚ましたのは伏黒だった。
ゆっくりと瞬きをして、虎杖より先に蘆屋を確認しようとする。
――いない。
伏黒はすぐに体を起こした。
寝起きの頭で思考を巡らせる。
伏黒「……?」
手を伸ばして、布団を触る。
その瞬間、指先が止まった。
冷たい。
まったく、ぬくもりがない。
伏黒(……いつからだ)
一気に意識が覚醒する。
伏黒はすぐに隣へ視線を飛ばした。
伏黒「おい」
声は低い。
少し間を置いて、布団の中にいるもう一人へ向ける。
伏黒「虎杖」
返事はない。
伏黒「起きろ」
少し強めに呼ぶ。
布団がもぞ、と動いて、虎杖が顔を出した。
虎杖「……ん〜……なに……」
まだ寝ぼけた声。
伏黒は短く言う。
伏黒「いない」
虎杖「……ん~?」
伏黒「蘆屋先生がいない。」
その一言で、虎杖の眠気が一気に消える。
伏黒はもう一度、冷たい布団を握ったまま続ける。
伏黒「クソっ、布団にぬくもりが全くない。そうなると、少なくとも1時間以上前からいない。」
静かな声だったのに、部屋の空気が一瞬で変わった。
虎杖の表情が固まる。
虎杖「……は?」
伏黒の言葉で、虎杖の顔から眠気が完全に消えた。
朝の冷えた空気のなか、二人はすぐに動き出した。
伏黒は最短で部屋を確認し、廊下へ出る。
虎杖も遅れて飛び出したが、伏黒の動きは冷静だった。
伏黒「……寮にはいない」
一室ずつ確認しても、気配はない。
廊下、食堂、訓練場、校舎内。
どこにもいない。
虎杖が焦った声を出す。
伏黒「外は!?外出てないかな?」
伏黒は即座に首を振る。
伏黒「こんな時間に無断で出る理由がない、そもそも見えてないし、それに・・・」
スマホを見ると、夜中の気温は0度~2度だった。
伏黒「こんな極寒の中、上着も着ずに出ていくわけないだろ」
やがて二人は顔を見合わせた。
同時に答えが一つに収束する。
伏黒「……報告するしかないな」
伏黒がそう言って、歩き出した。
向かった先は上層との連絡用の部屋。
数分後。
電話口の向こうで、軽い声が響く。
五条「はーい」
五条悟だった。
伏黒は一瞬の迷いもなく告げる。
伏黒「……蘆屋先生がいません」