【呪術廻戦】年下のきみが可愛くて。/みんな×主(先生)
第8章 春夏秋「冬-2」
夜はすっかり更けていた。
伏黒の部屋には、さっきまでの騒がしさがまだ少し残っている。
お風呂を順番に済ませたあと、
三人はそのままダラダラと話し続けていた。
特別な話じゃない。
任務のことや、どうでもいい昔の話。
笑ったり、途切れたり、また思い出したように話したり。
気づけば時計は24時を回ろうとしていた。
虎杖「……あ、やべ」
虎杖悠仁がスマホを見ながら呟く。
虎杖「日付変わっちゃったね、あ、今日クリスマスイブだよほら!」
軽い声。
スマホの画面には『12月24日』と表示されていた。
虎杖「そろそろ寝る?」
その言葉に、伏黒恵が即答する。
伏黒「さすがにお前は自分の部屋で寝ろよ」
いつもの冷静なトーン。
当然の注意。
けれど虎杖は全く気にしない。
虎杖「たまにはいいじゃん」
そう言いながら立ち上がると、自分の部屋へ向かい――
数分後。
布団を丸ごと抱えて戻ってきた。
虎杖「持ってきた!」
伏黒が無言になる。
伏黒「……お前さ」
虎杖「いいだろ別に!減るもんじゃないし!」
強引に畳へ敷き始める虎杖。
その横で伏黒は深くため息をつく。
伏黒「自由すぎるだろ」
そんなやり取りの中、蘆屋は少し笑っていた。
「なんか修学旅行みたいだね」
小さく笑う。
布団が二つ、三つと並んでいく。
電気が少し落とされて、部屋の明かりはやわらかくなる。
結局、細かい理屈はどうでもよくなっていた。
三人とも、それぞれの場所に転がるように寝転びながら、
天井を見ている。
静かで、少しだけあたたかい夜だった。
夜は深く沈んでいた。
部屋の中は静かで、聞こえるのは寝息だけ。
虎杖も、伏黒も、いつの間にかそのまま眠っていた。
蘆屋も目を閉じていたはずだった。
けれど――
ふと。
頭の奥に、声が落ちた。
「……」
誰かが、呼んでいる。
そんな気がする。
蘆屋はゆっくり目を開ける。
「……ん?」
暗闇の中。
何も見えないはずの世界で、わずかに違和感だけが残っている。
(今のは……誰?)
心の中で問いかける。
寝ている二人を起こさないように、そっと呪力を薄く広げる。
空気の輪郭を探るみたいに。
けれど――何もいない。