【呪術廻戦】年下のきみが可愛くて。/みんな×主(先生)
第8章 春夏秋「冬-2」
「五条さん立ち会いの下、何度か実験したことがあるんだけど……」
すると伏黒が即座に突っ込む。
伏黒「また物騒な……」
あまりにも自然な反応に、蘆屋が少し笑う。
「まぁまぁ」
軽く流しながら続ける。
「あの時は、“死刑囚Aの殺意を和らげる実験”と…
逆に、その殺意をコントロールしてた歯止めを断って、
“解放する実験”をしたけど……」
さらっと言う内容ではない。
伏黒が少し眉を寄せた。
伏黒「……結果はどうだったんですか?」
純粋な興味と警戒が半分ずつ混ざった声。
「あぁ、えっと……」
「殺意を和らげるっていうよりは、
どっちかというと“無気力状態”って感じで……
成功したのかは、ちょっと謎だったかな」
そして、そのままさらりと続けた。
「逆に“殺意の制御を解放した実験”では、かなり大暴れさせちゃって。
最後は五条さんが気絶させてたけど……」
数秒。
伏黒が無言になる。
蘆屋は「あれ?」という顔をした。
「……伏黒くん?」
すると伏黒が、疲れたみたいに小さく息を吐く。
伏黒「蘆屋先生の術式というか……だいぶ危険ですね」
蘆屋はふと我に返って(あ、まずい)と思ったのか
慌てて手を振る。
「ち、ちがうの!殺意とかそういう危ない方向じゃなくて!」
言いながら、必死に軌道修正する。
「人間ってほら、やる気スイッチみたいなのあるって言うじゃん!?それをちょっと刺激して“ぐーん”って!」
自分でも何を言ってるのか分からなくなりつつある説明だった。
すると向かい側の伏黒恵が、静かに言う。
伏黒「……いや、もう手遅れですよ」
「あぁ…そう、、」
軽く絶望しかけたその時。
伏黒は突然、手を差し出した。
伏黒「じゃあ」
淡々とした声。
伏黒「俺の中のやる気スイッチ。探してみてください」
「え?」
蘆屋は思わず固まる。
「いやそれどういう……」
戸惑いながらも、流れ的に手に触れるしかなくて、
そっと伏黒の手を取る。
「えっと……じゃあ、ゆっくりやるね?」
呪力を細く、慎重に流し込む。