【呪術廻戦】年下のきみが可愛くて。/みんな×主(先生)
第8章 春夏秋「冬-2」
伏黒は、蘆屋の言葉を聞いたあとも返事をしなかった。
ただ静かに、その横顔を見つめている。
やがて少しだけ視線を落として、低い声で口を開いた。
伏黒「……この際だから、聞きたいんですけど」
真っ直ぐな声音。
伏黒「蘆屋先生の力って――」
その言葉を遮るように。
蘆屋が、ふっと小さく息を吐いた。
「……私たちの力が、強すぎた結果が招いた、あの惨事」
静かな声だった。
けれど、どこか遠くを見ているみたいだった。
「私が生き残ったのは……」
包帯越しに俯いたまま、ゆっくり語り始めた。
「あの日、私は……
襲ってきた特級呪霊を、無意識のうちに自分の領域へ
引きずり込んで、祓った。
ただ、目の前の出来事に、自分の感情と力がコントロールできなくて……
無差別に、領域へ引きずり込んでしまったの。」
伏黒は何も言わない。
ただ黙って聞いている。
「それを止めてくれたのが、五条さん。
当時の私の領域を押しのけて、自分から中に入ってきて止めてくれた。
五条さんは優しいから言わないけど
自分の両親を殺したのは、私自身
村が壊滅したのは、確かに上層部の都合だったけど
……それとこれは別。」
部屋が静まり返る。
「私が、自分の領域を表に出さないのは、みんなの先生でいるため。」
それだけ言って、話を終えた。
伏黒は少しだけ黙って口を開く。
伏黒「それ・・・五条先生以外に、誰が知ってるんですか。」
「五条さん、それから憂太くん・・・以外に、私の領域を知っているのは・・・」
少し迷って
「禪院直哉」
伏黒が色々察すると、またゆっくり口を開く。
伏黒「そうですか。・・・他人の俺が言うのもなんですけど、」
少し迷って口を開く。
伏黒「過去は過去です。」
淡々と続ける。
伏黒「今が大事だと思います。」
「あはあ、そうだね。ありがとう」
にこっと笑う蘆屋。
「重い話をしてごめんね。でも、それは私の中でも過去の話。ただそれを簡単に公にできないの。」
そういって「立場上、色々ね。」と付け加えた。