【呪術廻戦】年下のきみが可愛くて。/みんな×主(先生)
第8章 春夏秋「冬-2」
「供給型の術式の人は、意外といるけど……私のは、ちょっと違うんだよね」
そう言いながら、伏黒の手をゆっくり掴む。
自然と、指が絡まった。
恋人繋ぎ。
伏黒「……っ」
伏黒の肩がほんの少しだけ揺れる。
けれど蘆屋は気づいていないまま、その手をぎゅっと握った。
「私の呪力は、こんな感じ」
柔らかく包み込むみたいに。
優しく馴染ませるように。
そのあと、ぱっと手を離す。
今度は、手のひらをパンっと軽く叩いた。
「他の人の呪力供給は、こんな感じ」
一瞬で流し込まれる、異物感のある感覚。
その違いを説明すると、伏黒が少し感心したように目を細めた。
伏黒「……すごく、分かりやすいです」
素直な感想。
蘆屋は少し得意げに笑う。
「一応、先生だからね」
伏黒は流れ込む呪力を確かめるように、ゆっくり息を吐いた。
そのあと、ふと真面目な顔で問いかける。
伏黒「……この状態で、供給できる呪力量って最大どのくらいですか?」
純粋な興味からの質問だった。
蘆屋は「んー……」と少し考え込む。
「そうだねぇ……」
指先を軽く顎へ当てながら続けた。
「供給っていう意味では、これの約3倍くらいかな。上限がある程度決まってるんだけど……」
そこで少しだけ声音が変わる。
「たとえば、私が“攻撃の意思”を持って呪力を流し込むと……」
伏黒の眉がわずかに動く。
次の瞬間。
流れ込む呪力の質が、ゆっくり変わった。
さっきまで柔らかく馴染んでいたものが、じわじわと重く絡みついてくる。
伏黒「……?」
伏黒が少し首を傾げる。
伏黒「あまり変化は……ない、です」
すると蘆屋が小さく笑った。
「そうだね」
穏やかな声。
「じゃあ、少しスピード上げるね」
その瞬間。
呪力が一気に伏黒の内側へ絡みつく。
侵食するみたいに。
いつしか禪院直哉へ使った時のように、伏黒自身の呪力へ
蘆屋の呪力がまとわりつく。
流れを乱す。
巡りを、極端に遅くする。
自分の呪力で支配するように、ゆっくりと。
伏黒「っ……」
伏黒の視界が、ぐらりと揺れた。
呼吸が一瞬浅くなる。