【呪術廻戦】年下のきみが可愛くて。/みんな×主(先生)
第8章 春夏秋「冬-2」
乙骨「ふふ」
完全に分かってやっている顔。
そして追い打ちみたいに、さらに顔を近づける。
乙骨「あ、でも」
悪戯っぽい声。
乙骨「ここは消してないから」
そう言いながら、指先がそっと首筋へ触れる。
昨夜、乙骨が残した痕。
そこをゆっくりなぞられて、つい反応してしまう。
乙骨「脱いじゃだめだよ」
耳元で囁く声は、朝なのに妙に甘い。
何も言えず固まっていると、乙骨は満足そうに小さく笑った。
それからは朝の部屋に、穏やかな空気が流れていた。
キッチンからは小さく湯の沸く音がして、
窓の外では鳥の鳴き声が聞こえる。
蘆屋はソファで髪を整えながら、
乙骨が準備している気配をぼんやり聞いている。
乙骨「忘れ物ないかな……」
そんな独り言。
鞄のファスナーを閉める音。
制服の袖を整える気配。
その全部が、“いつもの朝”で少し安心する。
やがて準備を終えた乙骨が、蘆屋の前へしゃがみ込む。
乙骨「じゃあ最後に」
優しい声。
乙骨はベッド脇へ置いてあった包帯を手に取った。
乙骨「動かないでね」
そう言って、くるくる、と慣れた手つきで目元へ包帯を巻いていく。
布が触れる感覚。
指先が時折頬へ掠めるたび、少しくすぐったい。
最後に結び目を整えて、乙骨が満足そうに笑った。
乙骨「よしっ、できた」
どこか誇らしげな声。
それから乙骨は立ち上がり、鞄を肩へ掛けた。
乙骨「じゃあ、行ってくるね」
そのあと、思い出したみたいに付け足す。
乙骨「あとで伏黒君が迎えに来るみたいだから」
伏黒の名前に、小さく頷く。
すると乙骨が、ふっと笑った。
乙骨「いい子にしててね」
まるで子どもに言い聞かせるみたいな声音。
そのまま軽く額へキスを落としてから、
乙骨は玄関へ向かっていった。
扉が閉まる直前。
乙骨「……行ってきます」
優しい声だけが、静かな部屋へ残った。
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