【呪術廻戦】年下のきみが可愛くて。/みんな×主(先生)
第8章 春夏秋「冬-2」
数秒。
そして、小さく息を吐いた。
「……確かに、誰もいなさそうですね」
静かな確認だった。
直哉が、少しだけ目を細める。
直哉「へぇ」
感心したような声。
直哉「君、呪力の使い方が多彩やねぇ」
その言葉だけなら褒め言葉にも聞こえた。
けれど次の瞬間。
ぐい、と顎を掴まれる。
「……っ」
逃げようとしても、固定された身体ではろくに動けない。
直哉は顔を覗き込むようにして、口元だけ笑った。
直哉「ほんまに惜しいなぁ」
半分、本気。
半分、冗談。
そんな曖昧な声音。
直哉「君が禪院家の子やったらねぇ」
指先に少し力が込められる。
値踏みするみたいに。
壊れ物を見るみたいに。
そして直哉は、そのまま拘束されたを見下ろして、満足そうに目を細めた。
直哉「……いいながめやわ」
「……だいぶ、悪趣味ですね」
掠れた小声だった。
それを聞いた直哉が、喉の奥でくっ、と笑う。
直哉「それ、褒め言葉かいな」
愉快そうに肩を揺らす気配。
顎を掴んでいた手が、そのままゆっくり首筋へ落ちていく。
冷たい指先が肌に触れた瞬間、蘆屋の肩がわずかに強張った。
直哉「……自分がどういう立場におるか、まだ分かってへんようやね」
低く落ちた声。
次の瞬間、指に力が入る。
「っ……!」
喉が圧迫され、息が詰まる。
視界は元からない。
だからこそ、何をされるか分からない恐怖だけが鮮明になる。
苦しくて、無意識に拘束された手が動く。
けれど帯はびくともしない。
直哉はそんな様子を、ただ静かに見下ろしていた。
直哉「……そうそう」
満足そうに、目を細める気配。
直哉「それや」
さらに少しだけ力が強まる。
直哉「それが見たかったんよ」
呼吸を奪われ、蘆屋の喉から浅い息が漏れる。
直哉「初めて会ったときのアレ・・・
忘れられへんくって」
指先がゆっくり首筋をなぞる。
直哉「視界なくて、こうされるん……興奮するやろ?」
耳元近くで落とされる声。
直哉「君、才能あるで?」
壊れる寸前の表情を楽しむみたいに。
息を乱す蘆屋を見つめながら、愉しげに笑っていた。