【呪術廻戦】年下のきみが可愛くて。/みんな×主(先生)
第8章 春夏秋「冬-2」
公園へ着く頃には、空は薄い冬色へ変わり始めていた。
乙骨に手を引かれながら歩き、二人は空いていたベンチへ腰を下ろす。
冷たい空気。
遠くで聞こえる子供たちの笑い声。
「きゃははっ!」
「待てー!」
元気に走り回る足音が、静かな公園へ響いていた。
その声を聞きながら、蘆屋が小さく笑う。
「子供って元気だね〜」
すると乙骨も、つられるように微笑んだ。
乙骨「さんも、道中すごく楽しそうでしたよ」
「?そう?」
乙骨「ずっと、外の空気気持ちいいって言ってた」
にこにこしながら言われて、蘆屋はふふっと笑う。
「寒いの、好きなんだ」
冬の空気を吸い込むみたいに、小さく息を吸う。
「空気が澄んでて……いっぱい息したくなる」
その嬉しそうな表情に、乙骨の目元も柔らかくなる。
けれど次の瞬間。
乙骨「でも」
少しだけ意地悪そうに笑った。
乙骨「寝る時は、寒いと寝れないもんね」
「っ!そ、それは……」
慌てる蘆屋を見ながら、乙骨はくすっと笑う。
乙骨「……そういうところも、可愛くて好きですけどね」
さらりと付け足されて。
「〜〜っ……!」
その時。
ころころ、と音を立てながら、一つのボールが足元まで転がってきた。
「あっ!」
小さな男の子が慌てて駆け寄ってくる。
けれどボールを拾うより先に、男の子は二人をじーっと見上げた。
純粋な目。
それから、不思議そうに首を傾げる。
「おにいちゃんと、おねえちゃん、結婚してるの?」
乙骨「っ」
乙骨が少しだけ目を丸くした。
乙骨「あぁ……えっと」
珍しく少し焦ったように言葉を探す。
乙骨「まだ、だけど……どうして?」
すると男の子は、乙骨の左手を指差した。
「ぼくのパパとママも、ここに指輪してるから!」
どうやら薬指を見ていたらしい。
その言葉に、乙骨は一瞬だけ蘆屋を見た。
それから、ふっと柔らかく笑う。
乙骨「……そうだね」
穏やかな声。
乙骨「僕が学校を卒業したら、結婚するつもりだよ」
そう言いながら、ボールを拾って男の子へ手渡す。
すると男の子は「そっか〜!」と嬉しそうに笑った。
それから、今度は蘆屋を見上げる。