【呪術廻戦】年下のきみが可愛くて。/みんな×主(先生)
第8章 春夏秋「冬-2」
少しして、虎杖はリビングの壁を見たまま、
そっと小声で呼びかけた。
虎杖「……先生、寝た?」
返事はない。
虎杖「……あれ?」
少しだけ身体を起こして、そっと覗き込む。
すると。
蘆屋はすっかり眠っていた。
包帯を巻いたまま、安心しきったみたいな寝顔で。
蘆屋「すー……すー……」
完全に熟睡である。
その様子を見て、虎杖は一瞬ぽかんとしたあと。
虎杖(寝るの早っっっ!!!!)
心の中で盛大にツッコんだ。
さっきまで少し緊張していた自分が、
なんだか馬鹿みたいに思えてくる。
「……いや、疲れてたんだろうけどさぁ……」
小さく笑いながら、虎杖は再び布団へ潜り込む。
すると寝返りを打った蘆屋が、無意識に少しだけ虎杖の方へ寄ってきた。
虎杖「っ!?」
虎杖の心臓が跳ねる。
けれど本人は大爆睡。
安心しきった寝息だけが静かに響いている。
虎杖はしばらく固まったあと。
虎杖(……無防備すぎるって……)
そう思いながら、そっと天井を見上げた。
・
・
・
それから一時間後。
虎杖(……全然寝れねぇ……)
虎杖は薄暗い天井を見上げながら、静かに絶望していた。
隣では、蘆屋が規則正しい寝息を立てている。
蘆屋「すー……すー……」
熟睡。
一方で虎杖は、目が冴え切っていた。
むしろさっきより意識してしまっている。
隣に女の人が寝ている。
しかも先生。
しかも距離が近い。
虎杖「……っはぁ」
小さく息を吐いて、そっと布団から抜け出す。
起こさないよう静かにキッチンへ向かい、
冷たいお茶を一気に飲み干した。
虎杖(少しは落ち着け。)
そう自分へ言い聞かせながら、再びベッドへ戻る。
暗い部屋。
静かな寝息。
虎杖は布団へ潜り込みながら、小さく呟いた。
虎杖(……少しだけ……)
ほんの少しだけ。
そう思って、そっと蘆屋の方へ身体を向ける。
起こさないように。
優しく、慎重に。
ゆっくりと背中へ手を添えて、
抱き寄せようとした、その瞬間。
「……ん」
蘆屋の方から、ふわりと寄ってきた。
虎杖「っ!?」
ぴたり、と身体がくっつく。
寒かったのか
無意識のまま、体温を求めるみたいに擦り寄ってくる。
虎杖、完全停止。