【呪術廻戦】年下のきみが可愛くて。/みんな×主(先生)
第8章 春夏秋「冬-2」
けれど次の瞬間。
虎杖「へぇー!!」
虎杖がぱっと顔を上げた。
虎杖「そんなことできるんだ!」
空気を変えるみたいな明るい声。
虎杖「じゃあさ、俺がどこにいるか分かるの?」
「え?」
突然の質問に、きょとんとする。
虎杖「だいたいでいいから!」
その無邪気さに、少し困ったように笑った。
「だいたいなら。声の方向とかもあるから」
そう言いながら、ゆっくりと歩き出す。
部屋の空気が少しだけ張る。
乙骨が思わず動きかけて。
伏黒も無意識に視線を追った。
蘆屋は慎重に、一歩ずつ進んでいく。
そして。
「……ここ?」
そっと手を伸ばした。
次の瞬間。
「あっ」
思ったより近かった。
触れた指先のすぐ先に、虎杖の顔がある。
距離の近さに、虎杖が一瞬びくっと肩を揺らした。
虎杖「せ、正解……」
ほんの少しだけ照れた声。
すると蘆屋は慌てて手を引っ込める。
「あ、ご、ごめんね……! 思ったより近かったかな……」
しゅん、と声をしぼませる。
「距離感、難しいなぁ……」
その純粋な落ち込み方に。
虎杖は思わず「いや全然!?」と声を上げて。
五条は肩を震わせながら笑いを堪えていた。
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その日の夜。
寮の部屋には、包丁の小気味いい音が響いていた。
トントントン。
ジュワッ、と油の弾ける音。
味噌汁の香り。
蘆屋は椅に座ったまま、その生活音に静かに耳を傾けていた。
見えなくなってから、音や匂いだけは以前より鮮明に感じる。
虎杖「よーし、完成!」
明るい声と一緒に、食器の置かれる音がした。
「ごめんね、作ってもらっちゃって」
虎杖「全然! 俺、料理わりと好きだし!」
虎杖は楽しそうに笑う。
虎杖「はい、箸ここね」
「ありがとう」
は慎重に手を伸ばした。
けれど、距離感が掴めない。