【呪術廻戦】年下のきみが可愛くて。/みんな×主(先生)
第7章 春夏秋「冬-1」
夏油「……なるほど。」
静かな声。
夏油「君の呪力も。」
男はゆっくり歩み寄る。
夏油「君の気持ちも。」
白い空間に、足音だけが響く。
夏油「……とても興味深いね。」
蘆屋はその顔を見つめたまま、はっと目を見開いた。
どこかで見たことがある。
写真。
高専。
五条の部屋。
「あ……」
思わず声が漏れる。
「……五条さんの。」
伏黒がちらりと蘆屋を見る。
蘆屋は小さく呟いた。
「五条さんの、親友……。」
そして次の瞬間、脳裏に別の記憶が過る。
とある村。
非術師。
大量虐殺。
蘆屋の顔色が曇る。
(まさか。)
男――夏油傑は、そんな蘆屋を見て小さく笑う。
夏油「どうやら、私のことを知っているようだね。
安心してくれ。
私は危害を加えるつもりはない。」
細い目がゆっくり細められる。
夏油「ただ、君に興味があるだけだ。」
伏黒は警戒を解かない。
蘆屋は夏油を見つめたまま、ゆっくり口を開いた。
「……私は。
あなたがしたことを、理解できない。」
空間が静まる。
空間が静まる。
けれど夏油は怒るでもなく、困るでもなく、ただ穏やかに笑った。
夏油「今はまだ、それでいい。」
その声は、不気味なくらい優しかった。
夏油「でも。君は間違いなくコッチ側の人間だよ。」
夏油は蘆屋を真っ直ぐ見つめる。
夏油「君の奥底に眠るものは、いつか仲間を危険に晒すかもしれない。」
蘆屋の肩がわずかに揺れる。
七つ目の部屋で溢れた、黒い感情。
呪いの入り口。
全部、見透かされているみたいだった。
夏油は続ける。
夏油「私なら、うまくやってあげられる。」
甘い誘いだった。
蘆屋は少しだけ表情を暗くする。
けれど。
「……。」
何も言えなかった。
夏油はそんな二人を見て、小さく息を吐く。
夏油「あぁ、もったいないね。」
そしてふと、空間の上を見上げた。