【呪術廻戦】年下のきみが可愛くて。/みんな×主(先生)
第7章 春夏秋「冬-1」
暖炉の火が、ぱち、と静かに爆ぜている。
古びた部屋の中は薄暗く、揺れる橙色の光だけが
二人の輪郭を照らしている。
濡れた服はある程度乾いたものの、
冷え切った身体の芯はまだ少しだけ重かった。
蘆屋は膝を抱えたまま、ぼんやりと炎を見つめる。
伏黒は少し離れた場所に腰を下ろしていたが、
不意に視線を上げた。
伏黒「……外、どうなってるんでしょうね。」
低い声。
蘆屋もゆっくり顔を上げる。
「虎杖くんたち、無事かな。」
伏黒「……あいつらなら簡単には死にません。」
そう言ったあとで、伏黒は小さく息を吐いた。
けれど、その声音にはわずかな焦りが混じっていた。
この結界の中では時間感覚も曖昧だ。
外でどれだけ時間が経っているのかも分からない。
「事前に確認していた供述では・・・
“4日間くらい閉じ込められた”と供述
→実際は半日ほどしか経過していなかった。
ってあったから、単純計算で、8分の1。
つまり、いま、ざっくり、8~9時間ほど経過したけど
恐らく外はようやく1時間程度経過したかどうか。って感じだね。」
伏黒「1時間・・・。」
またしばらく沈黙が続く。
暖炉の音だけが部屋に響く。
しばらくしてから、伏黒が静かに口を開いた。
伏黒「……さっきは、すみませんでした。」
蘆屋が目を瞬く。
伏黒は視線を逸らしたまま続ける。
伏黒「・・・水中で。」
「……。」
伏黒「蘆屋先生には乙骨先輩がいるのに。」
その言葉に、蘆屋の胸が少しだけ痛んだ。
伏黒は責任を取るみたいな顔をしている。
まるで、自分だけが悪かったみたいに。
「……謝らないで。」
伏黒が顔を上げる。
炎の明かりが、その青い瞳を揺らしていた。
蘆屋は少しだけ笑う。
けれど、その笑みはどこか寂しかった。
「私は大人だから。みんなが思っているほどきれいな人間じゃないよ。」
伏黒「……そんなこと、」
「んーん、大人はみんなずるいんだよ」
自分で言っておきながら、困ったように笑った。
「ひどいよね。」
伏黒は黙ったまま聞いている。
伏黒「・・・正直、大人の事情は分かりません。
けど・・・」