【呪術廻戦】年下のきみが可愛くて。/みんな×主(先生)
第7章 春夏秋「冬-1」
魚の形をした呪霊が、何体も泳いでいる。
そして。
そのうち一体の尾に、
小さな鍵がぶら下がっていた。
伏黒「……あれか。」
だが。
相手は水中。
しかも高速で泳ぎ回っている。
人間が追いつける速度じゃない。
その瞬間。
蘆屋が、
はっと顔を上げた。
「……鵺を、使って!」
伏黒「……!」
雷。
水中。
感電。
この状況なら確実に呪霊を仕留められる。
しかし。
蘆屋自身も、水へ浸かっている。
伏黒「……駄目です!!!」
「大丈夫……!」
水位がさらに上がる。
肩。
首。
唇。
もう時間が無い。
「私は……ある程度なら、呪力でっ、……!」
その言葉を最後に。
水位が、
蘆屋の頭上まで達した。
「――っ。」
完全に、
水の中へ沈む。
伏黒「……っ。」
一瞬だけ。
本当に一瞬だけ、伏黒は躊躇った。
その間も水位は上がり続ける。
伏黒「鵺。」
バチィッ――!!
雷光が、
水中へ叩き込まれる。
凄まじい電撃。
魚型呪霊が一斉に痙攣し、
水面へ浮かび上がる。
その中から、
鍵が外れて沈んだ。
伏黒は即座に水へ飛び込む。
冷たい水。
それでも。
鍵を掴み取り、一度浮上する。
思いっきり息を吸って潜り込み蘆屋の元へ。
蘆屋は、眉をぎゅっと、ひそめているものの、無事だった。
伏黒「……っ。」
伏黒は蘆屋の頬を掴み、そのまま唇を重ねた。
ゆっくりと息を吐く。
空気を送り込む。
「……っ!」
蘆屋の身体が小さく震える。
伏黒はそのまま鍵穴へ手を伸ばした。
震える指。
焦る呼吸。
ガチャッ――!!
鎖が外れる。
同時に、
伏黒は蘆屋の身体を抱き寄せた。
そして。
必死に水面へ浮上する。
ザバァッ!!
二人同時に、
水面へ飛び出した。
「っは……!げほっ、げほっ……!」
伏黒「先生!!」
蘆屋は咳き込みながら、
伏黒へしがみつく。
荒い呼吸。
伏黒はそんな蘆屋を、
強く抱き締めたまま離さなかった。