【呪術廻戦】年下のきみが可愛くて。/みんな×主(先生)
第7章 春夏秋「冬-1」
~ 4部屋目 ~
ガチャン――。
四つ目の部屋へ足を踏み入れた瞬間、
また背後で鍵が閉まる。
薄暗い室内。
置かれているのは、机と椅子だけ。
どうやら、ここは食堂みたい。
そして。
ひらり、と落ちてきたカードを、
伏黒が無言で拾う。
そこに書かれていたのは――
『沈黙』
『制限時間 60分』
「……。」
蘆屋は口を開きかけて、
はっと息を止めた。
伏黒もカードを見たあと、
静かに周囲を見回す。
どうやら、
“発声禁止”らしい。
部屋の中には、
重たい沈黙だけが落ちていた。
蘆屋は壁際へ寄り、
そっと息を吐く。
けれど。
頭の中は、
さっきのことでいっぱいだった。
(……だめだ、思い出す。)
キス。
伏黒の近さ。
「こっちも必死なんです」
あの低い声。
思い返した瞬間、
また顔が熱くなる。
(むりむりむり……。)
蘆屋は赤くなった顔を隠すように俯いた。
その少し離れた場所で。
伏黒が、
二歩ほど距離を空けたまま、
静かにこちらを見ている。
「……。」
視線が合う。
途端に、
また心臓が跳ねた。
蘆屋は慌てて目を逸らす。
すると。
部屋の隅に、
ペンとノートが置かれているのが目に入った。
(……筆談用?)
そっと伏黒の袖を引き、
指差す。
伏黒も気づき、
無言で近づいた。
二人でノートを開く。
そこには。
乱れた筆跡で、
過去の被害者たちの会話が残されていた。
『これ喋ったら死ぬやつ?』
『たぶん』
『最悪なんだけど』
ページをめくる。
さらに別の文字。
『どこが好き?』
『体の相性とか?笑』
「――……っ。」
蘆屋の肩がびくっと揺れる。
思わず一歩下がろうとして――
足元が何かに引っかかった。
ぐらり。
「っ――!!」
声が漏れかけた瞬間。
伏黒の手が、咄嗟に蘆屋の口元を塞ぐ。
同時に、そのまま強く引き寄せられた。
「……!」
二人まとめて床へ座り込む形になる。
伏黒の腕の中。
近い。
伏黒は蘆屋を抱え込むようにしたまま、
片手で口元を押さえていた。