【呪術廻戦】年下のきみが可愛くて。/みんな×主(先生)
第7章 春夏秋「冬-1」
明らかに不機嫌そうなまま、伏黒は視線を逸らした。
その耳が、ほんの少しだけ赤かったのを蘆屋は見逃さなかった。
「ふふっ。」
思わず小さく笑う。
伏黒「……何ですか。」
「冗談、冗談。」
蘆屋は柔らかく笑いながら、
自分の隣を軽く叩いた。
「あったかいよ。ほら、ここおいで。」
伏黒「……。」
ぴたり、と動きが止まる。
数秒の沈黙。
伏黒は片手で口元を覆い、
深くため息を吐いた。
伏黒「……俺、もう一回見回り行ってきます。」
「え?」
伏黒「蘆屋先生はここで休んでてください。」
妙に早口だった。
そのまま踵を返し、廊下へ向かおうとする。
「ま、待って。」
伏黒「……。」
「一人にされたら困る。」
その一言で、
伏黒の足が止まった。
静かな屋敷。
遠くで、
ギシ、と木が鳴る。
「こ、こういう閉鎖空間って、一人行動が一番危ないんだから。あ、別に怖いとかじゃないから。全然。」
伏黒「……そうですか。」
「うんっ。」
蘆屋は立ち上がりながら、
軽く埃を払う。
「だから私も行く。」
並んで廊下へ出る。
薄暗い木造の廊下は、
どこまでも静かだった。
伏黒は前方を警戒しながら歩く。
その少し後ろを、
蘆屋がついていく。
ギシ。
一歩進むたび、床が軋む。
・
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~ 1部屋目 ~
ギィ――……。
古びた扉がゆっくり開く。
薄暗い部屋。
洋風の広い空間だった。
赤黒く色褪せた絨毯。
重厚なカーテン。
古い暖炉。
壁際には装飾棚とソファ。
まるで誰かが住んでいた痕跡だけが、
時間から切り離されたように残っている。
二人は慎重に室内へ足を踏み入れる。
その瞬間。
――バタンッ!!!!
「!?」
背後の扉が、
勢いよく閉まった。
伏黒が即座に振り返る。
伏黒「チッ……!」
ドアノブを掴む。
回らない。
押しても引いても、
まるで壁と一体化したように動かなかった。
「閉じ込められた……。」
その時。
ひらり。
二人の間へ、
一枚の紙が落ちてくる。
「……?」