第8章 共鳴する心
「ほんまに可愛ええなぁ……好きや」
いつの間にか恋人繋ぎになっていた手を上げられ、手の甲に口付けを落とされる。
なんだか、私の方がずっと好きで重すぎたはずなのに、今は宗四郎の方がそうな気がして、モヤッとした。
「私の方が好きだから」
「え?」
「あ……」
目の前に小此木さんがいて、慌てて宗四郎の背に隠れた。
見られた?聞かれた?
まさか近くに人がいるとは思わなくて、めちゃくちゃ油断していた。
顔が有り得ないほど熱くなって、宗四郎の肩に額を寄せる。
「お〜、小此木ちゃん。どないした?」
「あ、いえ……たまたま通りかかっただけで……」
宗四郎は「ほな、また」と声をかけて、私の手を引いていく。
「え?あの……」
「小此木さん!何も聞かないでください!忘れてください!」
小此木さんはきょとんとして、宗四郎はずっと笑っていた。
穴があったら入りたい……。