第2章 2人の日常
宗四郎様との境界線が曖昧になってきて、なかなか眠れなかった。
その代償に、目を開けたら隣に温もりがない。
何時かわからないが諦めようと思い、とぼとぼとリビングに向かう。
珈琲の香りが漂ってきてキッチンに目を向けると、宗四郎様が朝食を作っていた。
そっと近付き、背中に頬を寄せる。
「ごめんなさい……」
「ん?……ええて。ゆっくり寝れたか?」
短く返事をすると「おはよう」と降ってきた。
私も返して、一度ぎゅっと抱き締めてから洗面所へ向かう。
顔を洗って戻ってくると、既にテーブルには温かい朝食が置かれていた。
まだ眠い……。
ボーッとしながら椅子に座って、宗四郎様が作ってくれた朝食を食べる。
美味しくて、もっと溶けた。
「ふはっ!まだ寝とるん?……ついとるで」
指で軽く口元を拭うと、「ちゃう」と言われて顎を持たれた。
そのままぐいっと口の端を親指で拭われて、僅かに反応する。
「紫音はほんまに可愛ええな」
「宗四郎様も……」
眠気がある中、その言葉に胸を騒がしくしながら宗四郎様を見つめる。
「僕"も"、なに?かっこええ?」
「……可愛いです」
「それはなんかちゃう」
ムスッとした宗四郎様は黙々とご飯を食べ進め、食器を片付けた。
喋らなくなったのを見ると、機嫌を損ねてしまったようだ。
可愛いし、かっこいい。
……愛おしい。