第8章 共鳴する心
朝方、怪獣は討伐された。
宗四郎様はたったひとりで、亜白隊長の留守を守り切ったようだ。
いや、みんな戦っていた。
だがその時、怪獣の襲撃時とは比べ物にならない程の爆発音が響いた。
シェルターが揺れている。
怖かった。
隣で戦えないことが……今、あの人が目の前にいないことが。
スマホなどで情報を得ることが出来なかった。
"殉職"という文字があったらどうしようという恐怖が、私を支配する。
ポケットの中でスマホが震えて、それを取り出す私の手まで震えている。
これは、なんの電話?
スマホの画面を恐る恐る確認すると……"保科宗四郎"と映し出されていた。
「宗四郎様っ!!怪我は?基地は……」
「紫音、大丈夫やで。まあ、会ったら泣かしてまうかもやけど。紫音は怪我してへん?」
「してないっ……してないです!」
きっと宗四郎様は、大きな怪我を負ってる。
だけど、いつもの明るい声が、私の冷えた身体を、芯から解かしていく。
こんなにも恐怖を覚えたのは、あの時以来だ。
宗四郎様がまだ第6部隊に居た頃。
第3部隊に打ち合わせで来ていた時、私も同行していた。
あの時、発生した怪獣討伐に宗四郎様も参加し、怪獣に飲み込まれた子供を救出する為に、宗四郎様は自ら怪獣の口の中に消えていった。
わかっている。
あの人を好きでいることは、この恐怖がずっと、すぐ後ろでほくそ笑んでいることを。